仕事は所詮ブラックなものと考えた方がいいと思います

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最近,「ブラック企業」なる造語が出てきて,あらゆる職場にレッテルを貼ることが横行しています。
「ブラック企業」の正確な定義はどのようなものかわかりませんが,おそらく「長時間労働」を強いる職場のことをいうのでしょうか。
そして,過労死の原因が一律にそれに起因するような報道がなされています。

ここでは,職場の体制と仕事を分けて考えたいと思います。
何故ならば,職場で長時間労働を強いられることと仕事を全うすることは別物だからです。
与えられた仕事を成し遂げるために長時間働くことになるのは,職場の問題ではなく,あなたの問題かも知れません。

若い人たちの中には,就職先が「ブラック」ということで簡単に退職してしまう人もいるようです。
Webサイトで紹介されていた男性は,就職して2ヵ月で退職し,その後ニートになってしまい現在も無職とのことでした。
東京の有名な私大を出ているにもかかわらず,どうしてこうなってしまうのでしょうか。

私が疑問に思うのは,何も知らない新人が一人前の仕事が出来るようになるには,寝食を忘れてもやらねばならない時がある,ということを分かっているのかということです。
何かをマスターするためには,それくらいの気概がないと自分のものにならないこともあるのです。

自分の経験でいえば,官庁との折衝役に任命された時,それに関する法律を熟知しなければ歯が立たないという事実でした。
初めて,官庁に出向いた時,担当者から出てくる法律用語がわからなくて,相手にこいつは「素人」だと思われて歯牙にもかけてもらえなかった想い出があります。
その担当者の方も異動されたばかりで,後日お話を伺うと,庁舎を出るのは毎日午後10時頃とのことでした。

私は,それから関連する法律の本を買い込み,自宅でも徹底的に読みました。
そこまでしても,まだ法律の原則しかわかっていませんから,さらに奥深いところを勉強する必要がありました。

こうなってくると,24時間のうちゆうに12時間はそれに費やしていたと思います。
私は,それを自分に強いましたが,決して苦にはなりませんでした。

何故かというと,自分が引き受けた以上責任があり,全うするためにやらねばならないとしたら,「ブラック」であるかどうかは問題ではなかったのです。
自分が引き受けたか否かは別にして仕事には責任が伴います。

それを単なる長時間労働の問題にすり替えてはいけないと思います。
仕事によっては自宅に戻れない日もあり,また,自宅でも寝るまでやっていた時期がありました。

それは偏(ひとえ)に責任を全うするという自分の「使命感」であったと思っています。
もっと言わせてもらえば,「プライド」であったかも知れません。

ただ,その時期を頑張ると,仕事のやり方を覚えてきますから,それほど時間を要することなくこなせることが可能になります。
それが「習熟」というものだと思います。

そこまで自分を持ち上げることなく,周囲の「ブラック」云々に迎合していては,本物にならないのではないでしょうか。
何かを極めていく時,そんな風評にかまっていては,いつまでも身につかないと思います。
確かに,苦しいですし,何故こんなことを引き受けてしまったのかと思ったこともあります。

どのような企業にせよ,そこを選択したのはあなたであり,実現したい何かを持っている筈です。
とするならば,自己を没入させるほどの時間をかけることも覚悟していたのではないでしょうか。
その為の努力を惜しまない決断をしたのではないですか。

どのレベルで「ブラック」と批判しているのかわかりませんが,何か表層的な感じがします。
自分の明確な目標を持ち得ない人ほど簡単に辞めてしまうのではないでしょうか。

若い時には,何もかも犠牲にしてでものめり込む時期が必要だと思っています。
そうして自分を鍛えることで力がつき,例え転職しても,あなたを必要とする職場はあると思います。

衆目の一致する「ブラック」といわざるを得ない職場は別にして,今一度自分のありようはどうかと考えることも必要ではないかと思います。
その上で,自分の目指していたものと異なるのであれば,違う職場を探しても受け入れてくれるところはあるでしょう。

しかし,曖昧なままでは,結局どこも受け入れてくれず,漂流する羽目になるのではないかと考えるのですがいかがでしょうか。

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