看護学生が臨床実習でつまづくようになった

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毎年,新規高卒者で看護学校志望者を採用するべく募集するのですが,入学試験が難しくなっているせいかなかなか集まりません。
そんな中にあって無事入学して,奨学金を出す対象になったのはいいのですが,実習になってからつまづく学生が出てきました。

実習に出るまでは,よいで成績だったのにと不思議でなりません。
色々な診療科を回るので,常に新しいことを学習しますから,疾患にあった看護のやり方を調べて実習に望むのは,相当きついのはわかります。
看護師さんに訊くと,実習→レポート提出の連続で睡眠時間も少ないらしい。

人間は,急激に多くのことを一度に頭の中に詰め込もうとすると,整理がつかなくなってパニックになることがあります。
例えていえば,スポンジは水を吸収してくれますが,ある限界が来ると,ポタポタ水が落ちるようになります。

人もこのように吸収の限界があり,それはスピードによって変わるのではないか。
時間割通りに学ぶ習慣は出来上がっていますから,そのスピードには対応できます。

ところが,実習は生の現場ですから,いつ何がどの様な形で問題が生じるか予想できないところがあります。
又,患者さんは教科書のように反応してくれる訳ではないので,自分で問題点を探し出すことも必要でしょう。

つまり,教科書では予め答えが分かっているので学ぶことは可能であるが,自分で答えを見つけなければならない問題は,その答えも様々であるとすれば,究極的にはどの方法も正解なのですが,経験の少ない人達にとっては,どれも誤りではないかと考えてしまうのではないか。

教科書は「こうしなさい」と教えてくれるが,患者さんへの対応は「あなたはどうする」ということを見つけなければいけない。
座学と実習は,謂わば真逆な学習でもあるといえるのではないでしょうか。

部長や所属長には頻繁に連絡をとってサポートして欲しいとお願いしています。
早めにSOSを出してくれる学生には何とか出来るのですが,ぎりぎりになってSOSを出されてもどうしようもない時があります。

退学になると,病院が出していた奨学金を返還してもらわなければなりません。
勿論,そのまま看護助手で勤務したいと希望すれば勤務してもらって分割で返済も可能です。

免許を取れなくて借金だけが残る。
若い人にとっては,惨い経験でしょう。

それだけに,彼らが卒業して国家試験を受かるまでヒヤヒヤの連続でもあります。

看護師を目指す方は,どの様なことがあっても卒業するのだという信念を持って下さい。
卒業しさえすれば,国家試験だけですから,一度くらい落ちても再受験すればすみます(これとてしんどいことですが)。

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