あなたは,求人広告を見て,ある病院に目をつけました。
早速,スマホかPCで検索すると,センスの良いWebサイトが現れました。
外来や病棟も綺麗だし,掲載されている求人情報をみると,給与もなかなかよさそう。
そう思って,求人の応募フォームに入力しようとしているあなた。
ちょっと待って下さい。
あなたには事前に知っておかなくてはならないことがあります。
実際に目で見た病院は,Webサイトを見た時に感じた印象と同じか?
そこに働く職員さんの表情はどうか?
正式に見学の依頼をすれば,それを受ける側は身構えて,自院の裏側を隠す傾向があります。
誰しも自分をさらけ出すには勇気が要るのと同じです。
しかし,何気なく中に入られて見学された場合,いみじくもその病院の真の姿が見えてくる時があります。
私も,面接の場面で,実は何回か見学に来ました,と言われて冷やっとしたことがあります。
何故かと言えば,密かに見学に来られて面接を見送った人もおられる筈だからです。
それまでは,求人広告を出せば,先ず問い合わせの電話が入るだろうということしか考えていませんでした。
慎重な方は,自分の納得いく術(すべ)をご存じなんだなと思い,頭が下がりました。
以来,職員さんには,どこで誰があなたを見ておられるか分からないし,ちょっとしたことが病院の評価を落としているかも知れないと考えて欲しいとお願いしました。
日々の業務に追われている中で,そんなことに注意を払うことはなかなか出来ないのは理解しています。
しかし,頭の片隅にあるか無いかが人間の行動を左右する時もあります。
私自身の経験でも,ある施設に見学に行かせてもらった際,担当者の方に御礼を述べて入り口に足を向けた矢先に,介護職員さんの乱暴な言葉遣いが聞こえて思わず振り返ったことがあります。
その方は,私に背を向けていましたので,私の存在に気づいていませんでした。
人は自分の背後が見えないことの怖さを実感した時でした。
あなたが本当にその職場を希望されるならば,応募される前に一度見学されることをお勧めします。
その職場の本当の姿を垣間見ることで,さらに決心が固まる場合があるでしょうし,また,その反対もあるでしょう。
どちらになるにせよ,見学した結果の判断ですからあなたには悔いは残らないと思います。
また,受け入れる側にとっても,就職していただく以上,それなりの納得をしていただいている方が後の話が進めやすいという側面もあるのです。
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