週刊文春の4月14号に,『薬害訴訟へ 「子宮頸がんワクチン」少女を泣かせたのは誰だ』という記事が掲載されており,
『子宮頸がんワクチンの「副反応」被害を訴える女性たちが三月三十日,国と製薬会社二社に対し,損害賠償を求めて集団提訴する方針を表明した。』
となっています。
このワクチンの対象者は,「接種日現在で小学校6年生から高校1年生相当の年齢の方」で,6ヵ月間で3回接種する必要があります。対象者が非常に若いだけに,重篤な副作用が出た場合,悲惨な状況になってしまうと思います。又,接種にあたっては,本人の意志よりもご両親の意志で接種されることが多いと思われるので,ご両親にとっては悔やんでも悔やみきれない気持ちになります。
このワクチンについては,「公費助成」が決まった平成 22 年頃からテレビ等で盛んにキャンペーンをやっていたので,記憶されている方も多いと思いますが,最近全く流れていないので,これを機に調べてみたところ,下記のような事態になっていました(Fig 1)。
Fig 1
「平成25年6月14日より子宮頸がん予防ワクチンの接種のご案内を一時的に見合わせる」ことになっていたのですね。この様な情報は,マスメディアを通じて流されていたでしょうか。私の記憶ではありません。Fig 1は,神戸市のウェブサイトですが,これを勧告した厚労省の文書が Fig 2になります。
Fig 2
皆さんは,こんな文書は普段全く目にすることはないと思います。これは厚労省のウェブサイトから PDF ファイルをダウンロードしたものです。又,厚労省が作成した
「子宮頸がん予防ワクチンの接種を受ける皆さまへ(平成25年6月版)」がこれです。
Fig 3
この一部を拡大したものが Fig 4です。
Fig 4
黄色のマーカーを引いた部分にご注意下さい。そこには,
(1)子宮頸がんの予防効果が期待されています。
(2)子宮頸がん予防ワクチンは新しいワクチンのため,子宮頸がんそのものを予防する効果はまだ証明されていません。
とあり,「子宮頸がんの予防効果が期待されています」が,「子宮頸がんそのものを予防する効果はまだ証明されていない」のです。
それでは,何故この様なワクチンを「公費助成」することになったのでしょうか。
まず, Fig 5-1をみて下さい。これは,「国立感染症研究所」が出している「ヒトパピローマウイルス(HPV) ワクチンに関するファクトシート」です。
Fig 5-1
図1は,「全世界の子宮頸がん患者数(全年齢女性 10 万人対)( 2005 年)」です。日本は, 10 万人に対して8人以下と最も少ない地域です。しかも,Fig 5-2では,
Fig 5-2
「しかし,我が国の子宮がん罹患患者数および死亡数のデータには,子宮頸がんか子宮体がんかが不明のがんが含まれており,正確な子宮頸がんの罹患患者数および死亡数は把握されていない。また,子宮頸がんに検出される HPV16/HPV18 の正確な割合も確定していない。」
とあります。
これでは,何の根拠もなくワクチン接種を推進していることになる。次に,Fig 6をみて下さい。
Fig 6
これは,病院経営者のための医療情報誌「集中」のウェブサイトの記事の一部です。
ここにおおよその推移が書かれています。製薬会社がかなり関わっているのがみてとれます。即ち,導入にあたっては,製薬会社のプッシュがあったことがうかがえ,その為に商業的要素が強かったと推測されます。
この様ないきさつで導入され,良かれと思ってお子様にワクチン接種を受けさせ,被害に遭われた本人やご両親には同情を禁じ得ません。私達は,基本的には「国の施策」を信頼するように動機づけられています。しかし,この結果を鑑みるに,これからは,テレビで流されるキャンペーン等を鵜呑みにせず,必ずウラを取ることが自己防衛に欠かせないと思います。その為には,普段全く縁のない国政サイドのウェブサイトにもアクセスすることが必要です。
副反応の被害等については,みかりんさんのブログに詳細に記されています。どうか,被害者の方々をご支援頂くとともに,情報を共有しながら,自己防衛をはかりましょう。
最後までお読み頂き有り難うございました。
(参考)
(1)神戸市:子宮頸がん予防ワクチンの接種について
(2)厚生労働省:子宮頸がん予防ワクチンの接種を受ける皆さまへ(PDF)
(3)厚生労働省:子宮頸がん予防ワクチンQ&A
(4)厚生労働省:(HPV)ワクチンに関する ファクトシート(PDF)