「セレニウム」は「ナイアシン」以上にマイナーな存在かも知れませんが,その効果には侮れないものがあります。
「セレニウム」は,亜鉛などと共に体内の抗酸化を行う物質(酵素)の主たる成分になっており,がんの予防や老化防止,生活習慣病の予防にも有効だと言われています。
具体的な効能としては,以下のようなものがあります。
がんの予防
「セレニウム」には強力な抗酸化作用があり,がんの発生や転移を抑えると考えられている。
肺がん,大腸がん,前立腺がんには特に有効との報告がある。
脳血栓・心筋梗塞の予防
「セレニウム」が血圧に関わるホルモンに作用し,血管を拡張させたり,血液が固まるのを防ぐ。
その結果,脳血栓,心筋梗塞などの血栓症の発生を予防する。
活性酸素の除去
ビタミンEは,活性酸素が出来る前の段階でそれを抑制するが,「セレニウム」の場合は,既に出来てしまった余分な活性酸素を直接分解する。
その為に,ビタミンEや亜鉛などと同時に摂取すると,抑制と分解が同時に行われるのでより効果的である。
アンチエイジング(若返り)の効果
「セレニウム」の抗酸化作用で,老化の原因とされる活性酸素を分解する事により,肌や血管など,体のいたるところの老化を遅らせてくれる。
更年期障害の改善
亜鉛や「セレニウム」などの必須微量ミネラルは,女性の生殖生理作用に深く関わっており,女性ホルモンのバランスを整える事で,更年期障害や生理不順を改善する。
デトックス(解毒)効果
水俣病の原因となった有害物質の水銀を無毒で安定した化合物に変化させるなど,「セレニウム」には有害ミネラルなどに対して解毒効果がある。
精子を作る
「セレニウム」は男性の精子を作る時,活性基(生成を促進させる添加剤のような役割)となる。
このとき 500 億分の1mg程度の「セレニウム」を必要とし,精子の生成に深く関係している。
最近不妊症の原因として注目されています。
男性が射精する時に精液ととともに失われる抗酸化極微量元素(亜鉛等)の補給摂取が少ないと性機能が低下します。
順天堂大学のグル-プが不妊とミネラルの関係を調べたところ,精液中の「セレニウム」の濃度が高いと精子の数も多いことが判明しました。
通常の食生活で「セレニウム」不足が問題となることは,日本ではほとんどありませんが,「セレニウム」は,微量ミネラルですが重要な役割を担っています。
特に,ビタミンEや亜鉛との相乗効果は見逃せません。
「セレニウム」の推奨摂取量は,男性が30μg,女性が25μgで,上限はそれぞれ450μg,350μgとなっています。
「セレニウム」を多く含む食品としては,魚介類などの海産物と動物の内臓があげられます。
穀類,肉類,乳製品,野菜,果物の順に少なくなっていきます。
私は,20年以上亜鉛と「セレニウム」をサプリメントで摂っていますが,過剰摂取の問題も発生していません。
アマゾンなどのレビューを読んでいますと,「何も起こらない」ので止めてしまったという方がいましたが,「何も起こらない」ことが健康である証左ではないでしょうか。
今まで紹介してきたミネラルは,バックヤードで我々の健康を支えてくれるものであって,「○○を飲んだから頭がすっきりした」というような自覚できる効果を期待するのは方向違いだと思います(亜鉛は自覚できましたが)。
余談ですが,私は毎日納豆(パック入りのもの)を食べています。
しかし,添付されている「タレ」と「からし」は使用していません。
何故ならば,原材料名を見て頂ければ分かるのですが,実に多くの「食品添加物」が使われています。
いくら納豆そのものが健康に良くても,「タレ」と「からし」が台無しにしているようでは意味がありません。
そこで,私はほんの少しだけ醤油をたらして味付けしています。
「食品添加物」は,どの様な味付けも可能にしますが,昔ながらの製造方法には勝てないと思います。
例えば,「めんつゆ」が市販されていますが,従来の鰹節でとっただし汁とは全く味が違います。
その違いを言葉で表現するのは難しいのですが,一言でいえば,「後味が違う」のです。鰹節のだし汁は「後味がすっきりしている」。
しかし,市販のつゆは「何かが口に残っている感じがする」のです。
健康は食生活が基本ですが,「食品添加物」は健康に影響はないとは言えないのではないかと考えています。
スポンサーリンク
[amazonjs asin="B0013OUTO4" locale="JP" title="セレン 200mcg 90カプセル (海外直送品)"]
(参考)
(1)厚労省:「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書
(2)「統合医療」情報発信サイト:セレニウム
(3)健康食品の安全性・有効性情報:セレン解説