看護部長から看護師さんの妊娠の報告を受けた時,思わず思い浮かべるのが,看護基準は大丈夫かということ。
こんなことを書くと,喜んでおられるご本人には失礼なのは分かっていますが,管理部門からすると,基準が下がることは即減収を意味するので影響は大きいのです。
そして,育児休暇も取得するだろうから,1年間は不在となることを覚悟しなければなりません。
しかし,中途採用を募集しても直ぐに集まるかどうかは分からないので,妊娠した場合,出来るだけ早く所属に申し出るようにお願いしています。
結婚適齢期の方の多い病棟は,戦力的にはいいのですが,反面,結婚,出産の可能性が高いので,基準的には不安定な病棟でもあります。
その分マージンを見込んで配置するよう看護部長にはお願いしていますが,本人の希望や適性もあってなかなか難しいようです。
最悪の場合,他の病棟から臨時的な異動を行うのですが,言われたご本人はたまったもんじゃありません。
折角,気分よく仕事をしていたのに,来週から他の病棟へ異動するなんて理不尽もいいとこですね。
勿論,患者さんの看護をしたいために看護師になったのであって,病院の売上に貢献するために看護師になったのではないという理屈は分かります。
しかし,それは新しい看護師さんが来てくれるまでなので我慢して欲しいと思います。
あなたが,Yes と言ってくれれば,病院は何千万の減収を回避できるのですから。
そこで問題となってくるのが,各病棟にどれくらい加配すればよいかということです。
必要人員の5%増しか10%増しか。
病院の台所事情からすれば,5%でもきついときがあります。
ですので,パートの看護師さんを探すことになりますが,大抵はご家庭をお持ちなので,夜勤は出来ません。
又,ご主人の扶養の範囲内での勤務と言われると,時間給からいっても,日数を見込むことは難しい。
こうなると,現場の看護師さんの負担は一向に軽くなることはなく,申し訳ない状態がしばらく続きます。
所属長や看護部長は,現場からの不満を聞くことで大変かも知れませんが,忍の一字で耐えて頂きたい。
かように,人の動きが収入に直結するのが病院や施設であることをご理解下さい。
だから,自分一人くらいと思わないでほしいと思います。