さて,小学校開校問題は,法人側の「取り下げ」によって,一応の結果を見た。
しかし,まだ「国有地の払い下げ問題」が残っている。
1.不動産鑑定価格の9割引きの明確な根拠
(1)大阪航空局が産廃処理費用の見積を行った理由
2.当初は賃借であったが,買取とした理由
3.国有地の売買は,開示されるのが原則にも関わらず,非開示とした理由
(1)法人側の要望と説明
現在,会計検査院が検査を行っているようであるが,どこまで核心に迫れるのだろうか。
私は,おそらく「適法」ということで終わるように思う。
また,政治家の関与については,解明されないような気がする。
籠池理事長の参考人招致も,自民党が了承しない限り行えない。
野党は,その代わり現地視察を行うことを提案しているようだが,まだ日程等は発表されていない。
森友学園の取り下げで,一気に追求モードは下降するだろう。
籠池理事長は,この動画で,
「トカゲの尻尾切りをするのか」と,暗にこの件に関与した「トカゲ」の存在を臭わせ,又,稲田防衛大臣の「10年以上お会いしたことがない」という国会答弁にも,「2年まえにお会いした」と反論している。
ところが,3月10日の取り下げの記者会見では,籠池理事長に「政治家の関与はなかった」と言わせている。
「言わせている」と表現したのは,前日まであれほど強気であったのが,掌をかえしたように,「取り下げ」を行ったからである。
何らかの手打ち(圧力)があったのではないかと邪推させられてしまう。
参考人招致も拒否すると発言している。
これは,明らかに自民党への間接的なメッセージである(本人が拒否すると言っている以上,参考人招致の件は結論が出ていると,野党に回答できる)。
折しもタイミングよく東京都の百条委員会が開始されたことで,メディアはターゲットを豊洲問題に移し,一般大衆もそちらに関心がむくだろう。
そうなれば,ヤバイと思っていた関係者は「これで逃げ切れた」と胸をなで下ろすのだろうか。
(追記)
午後,各新聞の電子版をチェックしていたら,東京新聞が,財務省が近畿財務局を通じ学校法人森友学園に対し,払い下げた土地の返還を求める通知を行ったと報じている。
財務省も動きが速いですな。
「豊中市議らが財務省を背任罪で告発へ」と産経新聞も報じているので,払い下げの経緯を掘り下げられるのを警戒しているのだろうか。
又,これは在京メディアは余り報じていないが,自民党府議団が籠池氏に対し,大阪府議会への参考人招致を求めており,一旦応じる意向を示していたが,一転して応じないと変更している。同様に,私学審の会長や鴻池議員にも承知を求めているようだ。
国では自民党(本部)が難色を示しているのに,何故大阪府議団は求めるのか。
国と地方の姿勢の違いは何を示すのだろうか。
在阪メディアは,是非大阪府民にこの状況に対する意見を聞いて欲しいと思う。
学校法人森友学園が補助金返還命令や土地の返還に対応するのには,相当な資金を必要とするだろう。
果たして,資金はあるのか。
記者会見でも,「自宅まで抵当に入っているので,資金はどうするのか」の質問には,気色ばんで,「なんでそんなことまで調べるのか」というようなことを言っていたが,そりゃ,登記簿を閲覧すれば,誰でもわかるんですよ。違法でも何でもない。
森友劇場は,もう少し続く気配になってきたようである。
総統閣下もまだ慰労を兼ねてマスコミと寿司を食べられそうにない。
(参考)
(1)J-CAST ニュース:いまでも「教育勅語」には賛同 稲田防衛相が繰り返す「道義国家」
(2)産経新聞:森友学園問題 これで幕引きとはいかぬ
(3)産経新聞:籠池氏止まらない恨み節(認可取り下げ)
(4)東京新聞:「森友」側から依頼 首相も講演を予定していた
(5)朝日新聞:籠池氏の大阪府議会への参考人招致求める 自民党府議団
(6)朝日新聞:籠池氏「府議会の参考人招致応じる」自民府議団に意向
(7)産経新聞:籠池氏一転して府議会招致に応じない意向 「今は控えた方がいい時期」
(8)朝日新聞:森友学園への補助金交付取りやめ 大阪府学校緑化で
(9)朝日新聞:公立小での受け入れ 府教育庁が文書依頼 森友学園問題
(10)産経新聞:近畿財務局を背任罪で告発へ 豊中市議ら
(11)朝日新聞:森友学園の「小学校」HP閲覧できない状態に
(12)J-CAST ニュース:稲田防衛相と籠池氏 食い違い一段と鮮明 森友学園訴訟書面に「代理人弁護士」
(13)Zakzak:安倍首相 妻の名誉校長就任に「勝手なことを…」とこぼした
(14)日刊ゲンザイ:籠池理事長は本物のワルだ これから“疑獄の蓋”が開く
(15)日刊ゲンザイ:森友問題の原点 安倍・松井・籠池を結びつけた団体の正体
(16)日刊ゲンザイ:36億円公用地を無償譲渡 “第2の森友”スピード着工の奇怪
(17)日刊ゲンザイ:府議会でも質問なし 公明党「森友問題」徹底スルーの異様