あなたは,朝起きた時体が熱いので,熱を測ったら 37.5 ℃もあり,休ませて欲しいと所属長に連絡しました。
この場合,欠勤になるのでしょうか。
当然この場合「有給」をとることになると思いますが,果たして可能なのでしょうか。
有給休暇は,労働者に付与された権利ですから,一般的には可能であろうと思われます。
しかし,有給休暇は,勤務すべき日を,「予め」有給休暇とするというのが趣旨であろうと思います。
そして,届けを事前に提出することによって,未来のいずれかの日を有給休暇に充てるわけです。
その趣旨から言えば,当日はあくまで「欠勤」ではないかという理屈も成立します。
何故ならば,有給休暇届けは提出されておらず,所属長の決裁もありません。
そこには,勤務できない(不就労)という事実があるだけです。
法人側から言わせてもらえば,無制限に認めてしまえば,職場秩序を保てないのではないかという懸念があります。
長年勤務している方は,おそらく最大の 40 日の有給休暇を付与されています。
その方が,無秩序に,当日に有給休暇を欲しいと所属長に連絡したらどうなるか。
所属長は,労働者の権利ですから拒否することはしません。
しかし,内心忸怩たる思いがある筈です。
そこで考えたのが,欠勤を有給休暇に「振り替える」という考え方です。
当日は,あくまで「欠勤」であるが,労働者の権利を勘案して,有給休暇に「振り替える」ことを認めるというものです。
手続きは,欠勤届と有給休暇届けを同日づけで提出します。
これによって,書類上も振り替えの事実が残ります。
こんな理屈を作っても,一部の無秩序な職員さんに対する抑止力とはなり得ないことは承知していますが,少なくとも,
「あなたの行為は,有給休暇を取得する本来の趣旨ではない」
ことを勧告しておかないと,所属長も立つ瀬がありません。
新しい職場に移られた時,上記のことを尋ねておかれると安心かと思います。