iPhone SE が発売になりました。
ところで，皆さんは米国で起こっている「iPhone のロック解除問題」をご存じでしょうか。
今やスマホ全盛の時代において，この問題は，我々のプライバシーを侵される可能性を秘めています。
昨年12月に米国で起こった殺人事件で，犯人が持っていた iPhone を解析しようとした FBI が「パスコード」が設定されているので，これを解除するソフトを作成するようアップルに命じたのがことの発端でした。
アップルは，FBI に協力しなかったわけではなく，法的な協力を行ったにもかかわらず，FBI のミスで解除できなくなったらしい。
パスコードは，10 回入力すると中味が消えるようになっており，FBI としては，総当たりでしか解除できないので，何回でも入力可能なソフトを作成するよう迫った。
何故アップルが突っ張っているかというと，そもそもそんなソフトを提供してしまうと，iPhone ユーザー全てに影響が及んでしまい，個人情報を守れなくなってしまうからです。又，iPhone はセキュリティが高いのが売りですから，アップルにとっては，ある意味死活問題となりかねません。
アップルは自社の問題であることもさりながら，最初の前例として認めてしまえば，他社も認めざるを得なくなることを怖れています。そうなると，我々も個人情報を守る術が無くなってしまう。日本の iPhone ユーザーにとっても対岸の火事ではないのです。
ところが，CNET Japan の記事にイスラエルの会社が解除方法を FBI に示したとあります。これが，事実ならば，我々の個人情報はあっけなく白日の下に晒されてしまいます。最悪の事態も考えて，重要な個人情報はスマホに保存しておかないことくらいしか，防衛策はないのかも知れません。
（参考）
(1)東洋経済オンライン：iPhone｢ロック解除問題｣は日本にも波及する
(2)東洋経済オンライン：iPhoneロック解除問題はアップルに理がある
(3)ITmedia ニュース：iPhoneロック解除問題、日本では「協力を義務付ける規定ない」国会答弁で見解
(4)ITmedia ニュース：テロリストのiPhoneをアンロックしたかもしれないイスラエルの技術とは