「あなたは,クレジットカードを使っていますか」
と尋ねられると,
「あたりまえでしょう」
と回答するのが普通ですね。それほど,クレジットカードは私達の身近な存在になりました。
それでは,「どの様な使い方をされていますか」と尋ねられたら,下記のどれでしょうか(他にも種種あると思いますが代表的なもの挙げてみました)。
(1)楽天やアマゾンなどの通信販売の支払
(2)電気代,ガス代,携帯料金などの固定費に近い費用
(3)灯油・ガソリン代などの燃料費
(4)高額な買物をする時
(5)航空券・特急券・定期券等の交通費
(6)飲食店での飲食費用
(7)スーパーやコンビニでの支払
皆さんの回答を推測しますと,
(1)は,ほぼ全て,
(2)は,その中の一部,
(3)は,石油会社のクレジットカードか現金,
(4)は,その金額により,
(5)は,その中の一部,
(6)は,費用が高く使用可能な店の場合,
(7)は,ほとんど現金
というのが代表的ではないでしょうか。
何故この様な質問をしたかといいますと,日々の経済活動で,どれだけクレジットカードを使っているかの比率を考えて欲しかったのです。
クレジットカードにはポイントが付与されますね。全ての経済活動をクレジットカード決済にすると,そのポイントは結構なものになるのではないかと思います。
「そんなことは常識」であると思いますが,それがどれだけ徹底されているかが問題です。
より厳密に言えば,クレジットカード決済が可能な局面では,「全てそうしている」
かどうか。しかも,全て同一カードか否か。
私の例でいいますと,
(1)は,全て
(2)は,携帯料金のみ(電気料金は銀行引き落とし)
(3)は,現金
(4)は,購入金額が現金の持ち合わせより多い場合
(5)は,現金
(6)は,現金
(7)は,現金
となります。
ある1ヵ月の経済活動を例示してみます。
(1)アマゾンで書籍購入(カード) 1,200 円
(2)携帯料金(カード) 12,500 円
(2)電気代(銀行引き落とし) 11,000 円
(2)ガス代(銀行引き落とし) 6,000 円
(3)ガソリン代(現金) 8,000 円
(4)なし
(5)同僚と食事(現金) 5,000 円
(5)昼食代(現金) 600 円×20 日=12,000 円
(6)タバコ代(現金) 410 円×30 日=12,300 円
合計 68,000 円となり,その内カード決済が 13,700 円,それ以外が 54,300 円となりました。
私のカード決済比率は,13,700 円÷68,000 円×100 =20.2 %です。
私が加入している JCB カードは,1,000 円で1ポイント付与されるので,今月の獲得ポイントは,13,700 円÷1,000 円 =13.7 となり,13 ポイントです。残りの 54,300 円をカード決済しますと,54 ポイントとなり,合計 67 ポイントになります。
ここで大切なのは,カード決済以外の支出をどれだけカード決済に変更可能かということです(究極的には,カード決済可能な所でしか買い物しない)。
又,分散しているカード決済があれば,一本化するのも大切です。何故ならば,分散してポイントを持っていても,なかなか貯まることはなく,同じ支払うならば,1つのカードの方が効率的だからです。
次に,獲得したポイントは,何に使えるのかということです。
私の JCB は,Fig 1 のようになります。
Fig 1
例えば,キャッシュバックですと,1ポイント=4.5 円とあり,又,アマゾンで利用した場合,ポイント分の値引があります。又,JCB には,「Oki Doki ポイントプログラム」があり,通販の場合,Oki Doki ポイントのウェブサイトを通して買えば,ポイントが2倍となる特権があります。
最終的には,そのポイントの利用可能性が大事でしょう。利便性が低いものであれば,そのカードの使用を止めてしまうのも一考でしょう。
出来れば,1ヵ月の支出を洗い直し,その支払い方法をカード決済に絞っていけばいいと思います。又,カード会社は,「家族会員」無料が多いと思いますので,ご主人の名義であれば,奥様が家族会員になり,買い物はそのカードで行えば,ご主人と二人分のポイントが貯まります。
「カードを渡せばいくら使うかわからないから」といって,ご主人に渡さず,奥様が管理されている場合がありますが,もったいない話です。現金決済する分ポイントを逃しているようなものです。1ヵ月のご主人の経済活動を分析して,最低必要な現金を渡し,後はカード決済にする方がいいのではないでしょうか(余りに多額の浪費があれば別ですが)。そうすれば,経済活動を通じてご主人の行動も分かろうというものです。又,費用の一覧をカード会社が作成してくれますので,家計簿も不要になるかも知れません。
ご主人が出張の際は,交通費や宿泊費をカード決済にしておけば,ポイントも貯まりますし,出張費は会社から支給されるでしょうから,実質負担額はゼロ円です。
又,何かの会合で集まった時,その場所がカード決済可能ならば,「立て替えておくから先に店を出て」と他の方々に言い,その支払いをカードで行うのです。10人集まって,割り勘で1人あたり 3,000 円とすると,30,000 円をカード決済し,27,000 円をみなさんから徴収すればいいのです。自己負担 3,000 円で,30,000 円分のポイントが付与される勘定です。より正確を期すならば,会社で精算した出張費や会費を銀行口座に入金しておけば,余計な買い物をすることもありません。
奥様方は,日常の買い物に行くスーパーなどのポイントカードをお持ちだと思います。
そのポイントカードとカード決済を併用すれば,1つの経済活動で二重のポイントが貯まります。
只,私はスーパーなどのポイントは,その販売価格に含まれているとすれば,全く得をしたことにならないのではないかと思っています(私が社長ならば必ずそうします)。
又,「カード加盟店で買い物をした場合は,必ずカード決済すること」が鉄則だそうです。
何故なら,加盟店はカード会社に手数料を支払わなければならないため,販売価格に手数料が含まれていると考えるべきで,その手数料の一部をカードのポイントとしてバックさせないと,100 %手数料分だけ損していることになるそうです。
家電量販店に行くと,「現金の場合2%割引」などという場合がありますが,それが典型的な例です。
量販店からすれば,手数料3%を支払うのならば,2%割引しても差引1%利潤が残ります。
年間総支出が 250 万円として,その 80 %をカード決済出来たならば,200 万円÷1,000 円=2,000 ポイントとなり,JCB の場合キャッシュバックは,2,000 ポイント×4.5 円=9,000 円となります。
それを「たったこれだけ」と思うか,行動様式を少し変化させただけで,「これだけ得をするのか」と考えるのかの違いです。
賃上げは思うに任せず,税金は年を追って増えていく昨今,可処分所得の増加は見込めない中にあって,生活防衛をいかにするかがとても大切なことだと思います。