失敗はあなたを鍛える絶好の機会です

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何かに失敗した時は辛いものです。
ましてや,その原因が掴めないとあっては,もうどうしてよいか分からなくなってしまう。
そして,また,失敗してしまうのではないかという恐怖感に曝されてしまう場合もあります。

しかし,そこで諦めてしまうと,その失敗から学ぶことはできません。
もう一度冷静になって,その原因を自分なりに分析してみましょう。
考えられることをノートに書き出してみます。

それが的を射ているかは問いません。
書くことによって,混乱している頭の中が整理されていき,これかもしれない,というものに突き当たるはずです。
それでも,まだ見えない時は,その失敗と格闘しないで,棚に上げておきます。
何故ならば,それはあなたの成長を必要とする失敗であったかもしれないのです。

小学校1年生に6年生の算数の問題を与えても普通は解けるわけがありません。
それが解けるようになるためには,5年間の蓄積を必要としているかもしれない。
その蓄積を待たなければ,その問題は解けないとすれば,その為の期間が必要だったという証拠です。

人生でも,自分が持て余すことに挑戦した時,その志はいいのですが,ともすれば,無謀だった場合もあります。
ただ,その時点では,それに気がついていないだけです。
もしかすると,失敗とは言えないかもしれません。

一旦分析が終わったら,再挑戦してみて,その原因が正しかったか検証してみます。
それを繰り返していくと,原因が絞られてきます。
そこまでくれば,その失敗を克服できるようになっています。

上記のことは,苦しい中で行うので,ともすれば心がおれそうになるかもしれません。
かといって,諦めてはいけません。
ひたすらそれに集中して考え抜くのです。

この考え抜くという作業が自分を鍛え,それが身につくと,失敗を恐れない自分が出来上がってきます。
失敗から学ぶというのはそういうことだと思います。
例え成功しなかったとしても,それを考え抜いたということは残ります。

また,苦しい中でそれをやったということが必ず生きてきます。
その実感が湧くのは,さまざまな壁にぶつかった時です。
「あの時,あれだけ頑張ったんだから自分には出来る筈だ」という気持ちが芽生えてきます。

一つ一つを冷静に分析する習慣が出来上がると,精神的なショックからの立ち直りも早い。
余計なことを考えずに,分析にかかれるようになります。

たいていの場合,混乱したままの頭であれこれ考えるが故に,その原因がいつまで経っても見えてこないだけです。
とにかく頭を冷ますこと。

若い時は,その様な経験が少ないために,そこまで行き着くのに時間がかかる場合があります。
それは,単に経験が少ないだけのことであって,あなたの能力が劣っているわけではありません。

失敗を自分の能力のなさに直結してしてしまうのではく,経験のなさにも原因があるかどうかを考える必要があります。
とするならば,その経験を積むべく努力すれば,そのハードルは難なくこえることができます。

失敗したからと言って,誰もあなたの命を取りに来るわけではありません。
失敗してあれこれ思い悩むこと自体が,あなたを鍛えているということを忘れないでほしいと思います。
また,失敗するのは若い時の方がいいのです。

失敗したことのないまま中年期に達すると,その経験がないために,一挙に人生を悲観的に考えてしまう傾向に陥ってしまいます。
あんな優秀な人が何故自殺をしたのだろうか,とよく言われますが,その優秀さ故に失敗の経験がなく,初めての失敗に負けてしまったのです。

成功体験を積めという人もいますが,それは自分が行きづまった時を乗り越える材料にはなりません。
むしろ,失敗こそがそれを自分に与えてくれると私は思います。

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