今朝(2017年3月17日)のメディアは,安倍首相からの寄付についての籠池発言一色でした。
自民党は,今まで野党からの要求に難色を示していたのに,一転して「証人喚問」を行う方針に転換しました。
期日は3月23日で決定したようです。
朝日新聞の記事によれば,「総理への侮辱」とのこと。
その動機たるや政治に携わる集団とは思えない反応です。
それとも,あれだけ便宜を図ってやったのに,「飼い犬に噛まれた」心境か。
もう,「売られた喧嘩は,買ってやろう」的な感じ。
何とも稚拙だね。
籠池氏は,大阪府や自民党を敵に回してしまい,司直も動き始めるかも知れません。
御上に逆らえないメディアは,自民党の意を「忖度」して,連日ネガティブキャンペーンを行うでしょう。
もう四面楚歌状態に近い。
にもかかわらず,どうしてここまで強気に出てくるのでしょうか。
何か勝算はあるのでしょうか。
余程の証拠を示さない限り,周りは納得しないだろうし,虚偽の発言となり,墓穴を掘った結果となってしまいます。
果たして寄附金の証拠はあるのでしょうか。
このような時のために,「現金」で渡すのであり,「領収書」も不要とします(献金も同様)。
企業も帳簿に載せられないので「使途不明金」処理をします。
この辺は,お互いを守るための暗黙の了解です。
今は,安倍首相からの寄付が浮き彫りになっていますが,元々の問題は,国有地払い下げに対する政治家の関与であり,この案件に対する大阪府並びに国の特例的な動きです。
籠池氏側は,一体どの様な作戦で望むのでしょうか。
果たして野党は。
籠池氏に対する質問としては次の3点でしょう。
1.3種類の工事請負契約書の存在
施工業者に,金額の異なる3種類の工事請負契約書を作成させたことは,自らの理屈はあれど,基本的に認められることではないでしょう。
これについては,いくら考えても,私の愚鈍な頭では,合理的な理由を見つけられそうにありません。
そこで,自説を述べることもせず,後は国会や司直の手に委ねてしまう。
つまり,罪に問われることを覚悟してしまうのです。
2.政治家の関与はあったか
これは,直接的には籠池氏側に説明する義務はありませんが,鴻池議員事務所の面会記録の内容については,その事実を認め,事務所がどのような動き(口利き)をしたかは知らないと回答します。
寧ろ,事務所側が説明することです。
面会記録には,「何々を依頼」という表現はありますが,それをどの様にするのかは事務所の問題。
又,結果的には籠池氏の要求通りとなりましたが,それを認めるか否かは財務省の問題。
3.安倍首相からの寄付の件
これについては,籠池氏はどの様な証拠を持っているのかは明らかになっていません。
決定的な証拠があればいいですが,ないようであれば,虚偽の発言になってしまいます。
何らかのものを持ち合わせているいるかも知れませんが,状況証拠的なもの(記憶)では弱いです。
言うならば,寄附金を入れた袋でもあり,そこに「安倍晋三」と書かれていれば,決定的になります。
それでもしらを切られたら,昭恵夫人の指紋があるかどうか調べてくれと強弁できます。
手渡した場面を見ていた籠池一族以外の目撃者はいないのでしょうか。
毎日新聞に,「小学校建設寄付用の「払込取扱票」の受領証」が出ています。
「依頼人の欄に修正テープの上から「森友学園」と手書きされ、テープをすかすと「安倍晋三」と書かれていた。」とあり,又,当時の長女の証言もあります。
しかし,誠に申し訳ないが,「安倍晋三」と書かれていても,私に言わせれば,「間接的」でしかありません。
長女の証言も合わせれば,「状況的」には安倍首相からの寄附金と推測できないわけではないが,これとて,「私が寄付をした直接証拠ではない」と否認されればおしまいでしょう。
籠池一家も菅野氏もこれ以上情報を出さない方がいいと思います。
メディアは喜んで食いつくでしょうが,この程度の情報では,相手を追い込んでいません。
手の内を出せば出すほど,相手は対策を立てやすくなり,下手をすれば「勝てる」という確信を与えるです。
菅野氏の著書も10刷らしいから,「日本会議」の正体を知ってもらういい機会になるだろうし,ひいては,安倍政権の本質が露わになっていいかも知れませんが。
1は,問題が発覚するとは予想だにしなかった故の明らかな失態ではないかとしか思いようがありません。
3は,どのような勝算があってかの発言かは不明です。
感情的になっていたので,つい口走ってしまったことであるとでも言うのでしょうか。
籠池氏は,1,3について負け試合を覚悟しているのかも知れません。
野党には少し期待しているようだが,それ程甘くはないでしょう。
彼等とて我が身が可愛いのですから。
菅野氏は,この件の成り行きによっては,マスコミから抹殺されてしまいかねません。
次に財務省,国交省の問題としては,下記の点でしょう。
1.国有地を格安で払い下げた件
(1)国交省:産廃撤去費用の見積
(2)財務省:売買結果の非開示
これは,籠池氏側に決裁権がない以上,国がその根拠を示すべきです。
この点について,官僚が口を開いてくれるかどうか。
記録は破棄したと頑なに答弁されそうな気がします。
私の経験では,正式な経過報告書はなくても,担当者は個人的にメモをとっている筈です。
私も県の担当者と交渉する際はノートにメモをとっていました。
30年前に行政とやりとりしたノートはまだ残っています。
個人メモは提出の義務がないのかも知れないが,野党も一度要求すればどうか。
会計検査院も「適法」とするのではないか。
言い過ぎかも知れませんが,泥棒に泥棒を調べさせたところで何も出てくるはずがありません。
煮え切らない記事になってしまいましたが,刑事事件として立件できない案件であれば,玉虫色に終わらせてしまうのが今までの結果ではなかったでしょうか。
メディアが,自ら調査するくらいの姿勢で臨まないで,「はっきりしてくれ」と喚いても何も動かないのではないか(タカイチ君に脅されるのが怖いのかな)。
自民党もそんなに腹が立つのなら,渦中の籠池氏だけをターゲットにするのではなく,関係者を全て証人喚問して,何時間かかっても徹底的にやればどうか。
NHK だけに放送させるのではなく,全ての民放に生中継させろ(視聴率が稼げるぞ。後日のワイドショーのネタにもなるし)。
籠池氏は,窮鼠猫を噛めるだろうか。
(参考)
(1)毎日新聞:昭恵夫人らの証人喚問求める…近畿の議員54人
(2)毎日新聞:事前報告なし「全て部長が決裁」…大阪府知事
(3)産経新聞:民進党,脳裏をよぎる「偽メール事件」首相追及も及び腰?
(4)産経新聞:森友学園問題・衆院外務委員会詳報(上)
(5)産経新聞:森友学園問題・衆院外務委員会詳報(下)
(6)産経新聞:松井大阪知事,寄付名簿に「首相夫妻の名前なかった」「(籠池氏)人気タレント気取っている