どんなことがあっても自分をあきらめてはいけない

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少しは長く生きていると心が折れそうになる場面に出会います。
しかし,そこで「もう駄目だ」と自分を諦めてはいけません。

どこまでも自分の可能性を信じること。
地面を這い回っている感覚を持っていても,見上げれば太陽があなたを照らし,澄んだ青空がそこにある。

人間は,最後は自分を頼むしかないと思います。
「まわりが励ましてくれない」とか何とか理屈をつける前に,自分に問いかけてみよう。
「もう駄目なのか」と。

私は,大きなプロジェクトを担当し,何もかも未経験で行き詰まったとき,五里霧中で路頭に迷った感覚に襲われたことがあります。
そんな時,自分に言い聞かせたのは,
「今は解決策が見えないだけだ」
という言葉でした。

ここで大切なのは,「今は」ということです。
即ち,未来(将来)は解決できる可能性がある余地を残しておくのです。
自分を追い詰める人は,「今は」という限定的な考えではなく,「将来も駄目だ」と自分に烙印を押してしまう。

ですから,私は,若い職員から悩みを打ち明けられたとき,必ず,
「今の君の状態は理解する。しかし,将来も同じとは限らないよ」
と話すようにしていました。

勿論,そんな言葉を聞かされても,当人には何の解決もならないかもしれません。
話の内容によっては,解決策が目の前にある時があります。
答えを出してあげれば,相手は助かるのでしょうが,自分で見つけるのとでは「残り方」が違います。
あくまで「自己解決が基本」という姿勢に立てるかどうかが決まります。

私は,概して行き詰まってしまったのは「経験のなさ」に由来することが多く,経験を積み重ねれば解決することを知ってほしかったのです。
だから,「今は」というように限定したのです。
誰でも,自分は未来永劫駄目な人間だと思っていません。
しかし,何かに苦しんでいる時は,その事実を忘れています。

「苦しんでいる自分なんて,本当の自分じゃない」と自己否定する人もいますが,それはおかしい。
多彩な自分という側面の中で,「楽しい時」とかなど限定的にしか認めないのは,自分を分裂させていると私は思います。
どんな状態の時であっても,それは自分なのです。

簡単なことではないかもしれませんが,苦しい時には,新たな自分を発見したと思うくらいの気持ちで自分を認めないといけない。
そして,「それはいつまでも続くものではない」と自己暗示をかけましょう。

私の「今は解決策が見えないだけだ」も自己暗示です。
スポーツ選手などは「イメージ・トレーニング」をしているという話があります。
これも一種の自己暗示だと思います。だったら,苦しい時にそれをしない手はありません。

Buzzfeed News の82歳のおばあちゃんは,Apple が認めた開発者。その人生観が深かった…という記事を読んで,自分を信じることの大切さと,失敗にこそ学ぶ材料が沢山あるということを改めて思い起こさされました。

もう一つ実践してほしいことがあります。
それは,自分に対する禁句を設けることです。
具体的には,ある言葉は絶対言わないようにする。

例えば,「取りあえず何とかする」の「取りあえず」は今後使わないようにする。
「取りあえず」というのは,「当分の間」ということですから,抜本的な解決にはなっていない。
この言葉を禁句にすると,自分の思考方法が変化してきます。

「もう駄目だ」と口にした時,あなたは本当に「もう駄目」になってしまうのです。
「もう駄目だ」と感じたとき,どこまでも自分の可能性を信じてもう少し粘ってみてください。

ぼんやりとではあっても,必ず解決の糸口はみえてくると私は思います。
それには時間がかかるかも知れませんが,決してあきらめないで下さい。

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