実務経験はどのように評価されるのでしょうか

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あなたが転職する場合,受け入れ先の病院にとっては「中途採用」ということになります。
その場合,あなたの実務経験は一体どの様に評価されるのでしょうか。

実務経験の評価方法

当然のことですが,あなたの実務経験は提出した履歴書に基づいて行われます。
ですから,履歴書は可能な限り正確に書く必要があります。

具体的には,免許取得時から現在までの経験年数を計算します。
例え1年未満の在籍経験であっても加算の対象となります(病院によって異なる場合があります)。

例えば,あなたの経験が通算20年と5ヵ月であった場合,この全ては評価されるのでしょうか。

1.全ての経験を評価する

この場合は,就職先の病院の職員さんと給与が並んでしまいます。
純然たる経験ですから当然と言えば当然ですが,この方法を採用しているところは余り多くないように思われます。

何故ならば,現職の方はその病院に対して20年の功績があると考えられますので,同額とした場合は現職の方から不満が出てくる可能性があるからです(つまり,あなたが病院に貢献するのは今からであるということ)。

2.経験を割り引いて評価する

上記のようなことがあるので,私の職場では,算出された経験年数の8割を評価する方法を採用していました。
上の場合は,20年×0.8=16年となります。
あなたの経験は20年なのですが,計算上16年とみなして給与を決定します。

3.経験年数の評価に上限を設ける

病院によっては,実務経験の評価に上限を設けているところもあるようです。
即ち,上限を15年とした場合,5年間についてはカットされることになります。

基本給の決定

上記の措置を行った上での経験年数に基づいて給与を決定するのですが,その全ては基本給に反映されるのでしょうか。

経験年数を基本給で評価する

この場合は,初任給から積み上げて経験年数に応じた基本給となります。

別の手当を設けて加算する

基本給は,初任給(新卒と同一金額)のままで,例えば「経験給」や「経験手当」という支給項目を作成し,経験年数の分だけ積み上げていく方法です。
この措置をとられた場合,現在のあなたの年収と比較すると大幅に下がってしまう可能性があります。
即ち,その病院の初任給が200,000万円で,今のあなたの基本給が250,000円であった場合,差引50,000円×賞与の支給月数分がマイナスになってしまいます。

そこで,病院としては,10年までは基本給で評価し,残りの年数(上記2の場合6年)を「経験給」としているところもあります。
この辺は千差万別なので,月収の総額に惑わされることなく詳細に尋ねておく方が後悔しなくてすみます。

1年当たりの評価金額

では,経験1年あたりをどの様な金額に設定するのでしょうか。

通常昇給と見なす

この場合は,あなたがその病院に在籍していたものとして,給与表に基づいて,評価年数分だけ昇給した金額を基本給とします。
私の職場はこの方法を採用していました。

定額昇給と見なす

職員さんの昇給とは別に中途採用の方に対する経験を,例えば1年あたり2,000円と決めておき,初任給に加算して基本給を決定する方法です。
この方式をとっている病院がどれ程あるか不明ですが,その病院の現職との差は上記の「通常昇給」の場合よりは更に低くなる可能性があります。

このようにあなたの経験を評価する方法は様々で,且つ,給与に反映する方法も同様です。
従って,先ず,よく説明を受けた上で,ご自分が納得(少なくとも「了解」)してから就職を決定すべきだと思います。

又,どの様なシステムであれ,担当者がきちんと説明してくれる(若しくは「説明出来る」)病院を選択するのが肝要です。
何故ならば,あなたに提示された時の基本給は高くても,その後殆ど昇給しないケースがあります。

病院側としては,何年間分を先払いしているのであるから,その間の昇給はないという理屈です。
ここの考え方は色々ありますので,あなたが腰を据えて働きたいと思っておられるのであれば,すぐにでもなくていいので,先輩の職員さんか給与担当者にたずねてみることをお勧めします。

若い時は,自分の肩にかかる責任は多くありませんが,結婚してお子様が出来てくると,ぐっとその重さは増しますので,後でしまったと思わないようにして下さい。

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