「不安」という得たいの知れないものに惑わされてはいけません

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この世に生きている人で,なにがしかの不安を持っていない人はいないだろうと思います。
不安の内容は,受験や就職,健康など人それぞれでしょう。

ただ,その中味が非常に具体的であるのか漠然としたものかの違いはあります。
会社の面接を受けた直後であれば,採用されるだろうかという不安があり,それは,言葉を変えれば,採用して欲しいという願いでもあります。

このように誰しも経験することからくる不安については,まわりの人も自身の経験に照らしてある程度は理解できます。
ところが,中には漠然とした不安に苛まれる人がいます。
例えば,健康に対する不安で,これは健康でいたいという願いと同義とも言えます。

現在,あなたは医療機関にかかっていないし,市販薬を服用してもいません。
まわりから見れば健康そのものです。
根拠のない漠然とした不安を抱いている人は,テレビの健康番組やネットの情報に敏感に反応します。

随分前にみのもんたが司会をやっていた昼間の番組で,ある食品が健康によいという情報を流したところ,スーパーでは夕方にその食品が売り切れになってしまう事態が生じることがありました。
このように,影響が大きい媒体がその情報を流せば,何らかの不安を抱いている人は購買行動をとってしまいます。

有名人のブログで健康食品の紹介をすると,その売上が増える構図と変わりません。
それに根拠があるか否かは問題ではなく,それが不安を解消してくれるかも知れないという気持ちで購入する。
しかし,このような人はそれを買ったからといって不安がなくなるわけではありません。

それは,自分の持つ不安に根拠がないからです。
根拠がない故に,永遠にその種の情報を追い求めて止まない行動をとります。
まるで青い鳥を探すように。

ここで,あなたが持っている不安を点検してみましょう。
それはどのような根拠に基づくものなのか。
まわりの人が理解可能なものなのか。

健康でいたいという思いは誰もが持っているでしょう。
しかし,それを不安に思ってしまう人といない人がいることも事実です。
不安になっていない人は,それを「願いながら」生きています。

逆に不安になってしまう人は,強迫的に自分を追い込んでしまっているのです。
それが原因となって,不安がどんどん高まっていく。
それは,あなたを敏感にさせ,どのような情報でも取り込ませてしまう。

再三書いているように,あなたは得体の知れない何かにコントロールされてしまう状況にあります。
そこにつけこめば,あなたの行動を変えてしまい,支配することも可能になります。
その原理を知っている者は,「不安心理」を煽ることで様々な効果を得ようとします。

不安はなくならないかも知れないが,健全である水準を超えてしまうと病的なものに移行してしまいます。
まわりの情報に煽られるのではなく,今一度その不安に適切な根拠があって,自分がそれに対して明確に対処可能かを考えて欲しい。
対処可能なものだけに集中することによって,それは軽減または解消されると思います。

そして,なんら根拠を見いだせないものは自分の頭の中から追い出してしまう。
その関連情報を求める行動を取らない。
不要な情報を遮断してしまうことで,自分の不安感は少しずつ収まっていくと思います。

適切な不安は健全な水準で自分に益をもたらすが,不適切な不安は自分を病の渕におとしてしまうこともあり得ると考え,是非,まわりの情報に一喜一憂しないような自分を作り上げていきたいものです。

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