まわりに同調しすぎると自分を見失ってしまいます

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あなたが今,まわりの人に合わせることに一所懸命だったとしたら,以下のことはなかなか同意できないかもしれない。
しかし,そこを我慢して読んでみて欲しい。

あなたは,まわりがスマホを持ち始めて,何となく自分も持っていないと「仲間」に入れてもらえないと思って,親にそれを要求します。
親も子供が嫌われたら可哀相だと思って買い与えます。
確かに,持っている者同士では,話が合うように感じます。
そして,自分には「仲間」ができたという精神的な安定を得ます。

しかし,あなたがスマホを買ってもらったのは,あなたの「必要性」からではありません。
元来は,そんなものに興味がなかったのに,「仲間に入れてもらう」という動機から買ったに過ぎません。

一旦その様な行動を取ると,自分の価値基準よりも他人の価値基準を優先させてしまうあなたが出来上がっていきます。
それは,元々あなたが持ち得ていた「個性」を失わせ,自分という存在の意味を失っていく結果をうみます。

そのような行動を続けていると,「まわりからどう思われているか」,「まわりからどう見られているか」ということばかりに敏感になり,永遠に同調しなければ不安になってしまいます。
そのことは,自分の境界がぼやけてきていることを意味しています。

一方では,まわりはそんなあなたの深いところまでは考えていません。
誰も,その集団に入れて欲しいというあなたの願いには気づきません。
「あなたも買ったの」という程度のものです。

別の例で言えば,男の子がある女子を好きになって,相手も自分を好きに違いないと思って告白したら,相手は何とも思っていなかったというようなことです。
私にも経験があります。
何日も言葉を考え,勇気を持って告白したけれど,「あなたのことは何とも思っていない」,と言われた時のショックは大きかった。
こういうのを「自意識過剰」といいます。

集団のボスから見たら,末端に加わりたいというあなたの心理は案外よく見えます。
悪くすれば,あなたの気持ちを振り回しにきます。
それにあなたが必死になるのを楽しんでいます。
こうなると,あなたにとっては地獄以外のなにものでもありません。

そこで,あなたに提案したいのは,敢えてまわりと同じ「選択をしない」という勇気を持つことです。
最初は,まわりとの違和感を感じて,居心地が悪いかもしれない。
「無視」されていると感じることもあるでしょう。

しかし,やがてまわりはそんなあなたを認めるようになります。
スマホを所有しているか否かで,あなたを「仲間」と感じるかどうかという基準はなくなっていきます。
そんなことに「興味を持たない」あなたという人格を尊重します。

多少不安はあったとしても,それがあなたの「個性」であり,まわりとの適切な距離感だと私は思います。
距離感を適切に保てない人ほど,まわりに同調し,「個性」を失っていく行動をとりがちです。
それでうまくいけばいいが,そうでない場合は,自分を見失ってしまう事態を生じさせてしまう可能性もあります。

私は,田舎に住んでいるので,職場の同僚から,「どうして都会に出てきて家を建てないのか」,と散々言われました。
しかし,私には,そんなことに価値基準を置いていなかったし,何よりも田舎を愛していたから,頑として耳を傾けませんでした。

そのうちに,誰も言わなくなっていたが,人間関係に支障をきたすことはありませんでした。
まわりは,それが私の厳然とした「考え」であり,人生の方針だということを理解したのでしょう。

若い時は,そのような価値基準がしっかりしていないので,誰かに合わせることで,その代償行為をとってしまいがちになります。
しかし,ちょっと立ち止まって,「自分には本当に必要なのか」を考えてみた時,必ずしもイエスという答えは出ないでしょう。
自分の出した答えに忠実に従うことこそ,あなたの「個性」を失わない方法であり,多少の紆余曲折はあっても,自分を保てる道だと思います。

私のまわりにも未だにガラケーをもっている人たちがいます。
その人にたずねると,決まって返ってくるのは,「必要ありませんから」という答えです。
私はそれが「個性」だと思います。
私は「何となく」スマホを買ってしまったため,全くといっていいほど使っていません。
それを知っている子供達は,ことある毎に「お父さんほんとは要らなかったんじゃない」といつもからかわれています。

もし誰かから「あなたは買わないの」と言われた時,「興味ないから」と回答してみましょう。
その時点で,相手は自分とは違うと思うだろうが,それ以上にあなたを論評できないこともわかる筈です。
あなたが相手に対して一線を引いたのであり,相手はあなたとの境界が見えています。

それがお互いの「個性」を尊重するということであり,健全な人間関係だと私は思います。

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