【面接】 質疑応答にはどう対処すべきでしょうか【医療業界編】

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面接での質疑応答はあなたが主役です。

履歴書をあらかじめ郵送した場合,面接官は,あなたの履歴書を拝見してどの様な質問をするのか考えます。
又,その場で提出しても,慣れた面接官であれば質問が浮かびます。

志望動機

これは,どの職場でも尋ねられますが,さてあなたはどの様に応えますか。

面接官は,以下ような観点を重要視しています。

1.自院の特徴・魅力をどこまで捉えているか
2.自院でどの様な仕事がしたいのか
3.(職歴のある方に対して)今までのスキルが自院でどの様に役立つと考えているか
4.給与が下がる可能性をどう考えているか

上述のようなことが代表的なことと思われますが,端的に言えば,あなたは自院で何がしたいのかということを聞きたいのです。

ただ,そんなに難しい答えを要求しているわけではないので,素直に考えていることを話すだけで充分です。
上記の1~3については,必ず質問される内容と思われますので,一度書き出して文章にしてみるのもいいと思います。
要は,転職の「目的」をまとめればいいのです。

職歴に関して

面接官は,全ての診療科の仕事を経験している訳ではありません(余程のことがない限りそれはないと思います)。
従って,時には的外れの質問をする場合もありますが,それはあなたをできる限り知ろうとする姿勢の現れであると思って下さい。

又,職歴についての質問は,あなたは何をしてきたかをたずねるためのものでもあるのです。
その質問に対して,あなたはどこまで的確に応えられますか。
そして,その遍歴があなたのスキルをどこまで高めてきたか。

つまり,前の職場を退職するにたる理由があったのは理解できますが,そこで得たものもあるはずだと考えています。
格好良く言えば,不断の努力をする姿勢を持っているか。

確かに,面接先の病院の職員が全てその様な姿勢を持っているわけではないでしょう。
しかし,どの職場も質の向上を図りたいと考えており,その為には一人でも二人でもその様な姿勢を持っている職員を増やしたいのです。

入職可能な時期

かなり具体的な質問になりますが,これは相手側の求人の逼迫性を現しています。

例えば,あなたがまだ現職で,職場に退職の意思表示をされていない場合,入職時期は確定できません。
就業規則で,退職の申し出は○ヵ月前にすることと規定されている場合があり,そのような場合即時は不可能となってきます。
又,上司から引きとめられる場合もあるでしょう。

相手側は,あなたが職場の折り合いをつけるまで待ってくれるかどうか。
もしかすると,看護基準などの何らかの基準が下がってしまうため,一刻も早く補充したいという言外の表現かも知れません。
基準すれすれの人数で運営している病院ほど即時入職を期待します。

そんな病院は,兎に角「数」が欲しい。
基準というのは,現行の医療(診療報酬)制度では数の多少によって決まります。
経営する側は,基準が下がると収入がおちるので,現場に一定の数の確保を要求します。

極端に言えば,碌に面接もせず,「いつから来てくれますか」,とあなたに尋ねる病院は敬遠した方がいいでしょう。
勿論,採用計画通りに人が集まらない可能性も否定できませんが,かといって,なんらのマージンも持たずに経営している病院は避けた方が無難です。

給与について

給与は大切な要素に違いありませんが,そればかりで人は仕事をしているわけではありません。

又,給与は地域によって相場があり,概して都市部は高く,郡部に行くほど低くなる傾向があります。
これは,ある意味生活物価の反映であるので,致し方ないところもあります。

あなたに対して,自院の規定からすれば,経験を勘案しても現行より下がるかも知れない可能性がある,と述べてくれる病院は,誠実な人事制度を行っていると思ってほぼ間違いないとも思います。

何故ならば,あなたと同じ経験年数の職員が在籍しており,その職員が新卒からの生え抜きであった場合,中途採用のあなたにその職員と同じ額の給与を出せない場合があるのです。

それは,自院に対する貢献度の違いです。
確かに経験年数が変わらなければ,同額の給与を保証してもいいではないかと思われるかも知れませんが,現実は決してそうではありません。

あなたは,これから自院に貢献してくれる職員になるのです。
そして,その貢献度合いによれば,すぐにでも生え抜きの職員に並べることは可能です。

これが納得できない場合,あなたは就職を見送るでしょうし,相手も致し方ないと諦めます。

あなたが尋ねておくべきこと

下記に記すことは,スキルアップや就業する上で大切なことだと思いますのでよく考えてみて下さい。

研修制度はあるか

医療技術者にとっては,技術の研鑽は欠かせません。
ですから,どの病院も院内での研修制度はあると思います。

ここで問題とするのは,あなたが学会などの参加を希望した場合,病院はどこまで支援してくれるかということです。
交通費や参加費等は負担してくれるのか。
それとも,全て自費で賄えと言われるのか。

ここで分かるのは,病院のトップが持つ教育に対する関心の高さです。
職員に対する教育は,すぐには陽の目を見ないかも知れないが,やがては病院の価値を高めるものとして戻ってくることを理解しているトップは教育に対する投資を惜しみません。

これに対する面接官の回答で,あなたは病院の姿勢を評価できます。

休みは取りやすいか

これは,はっきり言って難しい側面があります。

現場は,勤務表に基づいて動いていますから,責任者は全ての所属職員の希望をきくことは不可能です。
そこで,勤務希望は何回までと定めておき,現場の繁忙に応じて有給休暇を入れてくれる所もあります。

大事なことは,あくまで公平に行われているかどうかを探りましょう。

給与について

Webサイトの求人欄や新聞の折り込みの給与がいい場合があります。

余りに高い募集金額の場合,悪くすれば以後の昇給は殆どない場合があります。
今必要だから支払うのであって,将来は全く別と考えている経営者もいます。
昇給システムはあってなきがごとしです。

それは,各種手当てにもいえることです。
給与に関する規定に明確に定められているかどうか。

言葉は悪いですが,見せかけの給与に釣られないことが肝要です。
ともすれば,余りにハードな故に時間外労働が増えた結果高くなる可能性もあります。
特に若い人は,募集金額(月額)だけを見て応募する傾向があります。

それはそれで誤りではないのですが,病院によってシステムが異なりますから,あくまで比較すべきは「年収」です。
月例給与はそれなりに高いのですが,賞与は極めて少なく,年収を比べたら今の方が高かったという笑えない結果になります。

採否について

採否については,その場で出す病院もあれば,何日か後に連絡する病院もあります。

警戒すべきは,前述したようにろくな面接もせずに,「採用」と結果を出す病院です。
あなたという人物を知り,その上で配置を考えるとすれば,ものの5分や10分で採否を決められるわけがありません。
あなたもまだ納得していない筈です。

私の職場では,面接の後で面接官で会議を行い,採用と決まればその日に上司の決裁を仰ぎ,翌日に連絡するようにしていました。
面接の場では,2,3日後に連絡しますと伝えます。

会議で意見が割れ,決定しがたい場合は,それぞれが再考するために一旦翌日に持ち越し,改めて会議を行っていました。
それでも決着がつかない時があり,改めてお越し願ったこともあります。

何故ここまでやるかというと,人一人を採用することは,その人が退職年齢まで勤務してくれることを前提とした「予算編成」に等しいからです。

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