これは,元々は病棟でのお話です。
現在はもう解消しているのですが,標題のように勤務表に記載する順序が問題になったことがありました。
当時は,所属長に任せていましたので,現場によって記載方法がまちまちでした。
病棟には,看護師,准看護師,看護助手さんが勤務しています。
ある時,看護部長がやってきて,病棟で問題になっていることがあるというのできいてみると,上記のようなことでした。
一応,所属長を筆頭に,看護師,准看護師,看護助手の順番で記載しているのですが,ある病棟の所属長は,それぞれ常勤,非常勤の順序にしていたそうです。
それはそれで序列になっていると思うのですが,問題になったのは,同じ看護師で常勤の場合,勤続年数の長い者から順に並べていたそうです。
たまたま,AさんとBさんの入職日が1日違っていることに所属長は気づかず(Aさんの方が1日早かった),逆にしていた(Bさんが先)ようで,クレームをつけられたようでした。
別に1日くらいと思うのですが,当の本人は,1日の差でも自分は先輩であるという意識があったのです。
所属長はそれに気づかず,又,管理部門にも確認することなく記載していたためにこの様な問題に発展したのでした。
そこで看護部長と相談の上,下記のように決定しました。
1.看護師,准看護師,看護助手の順番はそのままとする。
2.常勤,非常勤の順序とする。
3.五十音順に記載する。
勤続年数順を残すと,職員さんの病棟異動があった場合,その都度確認して誤りのないようにしなくてはなりません。
当該職員にとっては,病棟内で自分がどの位置にあるのか気になるのは分かるのですが,たった1日の違いで先輩風を吹かされる方も適わないと思います。
五十音順に記載すれば,勤続年数というファクターが消えるので,所属長も記載しやすいと考えました。
それ以来,法人内では同一職種の職場(薬剤部,リハ部など)も五十音順に記載するよう徹底しました。
ここで,思うことは,一つの誤りが人間の自尊心を傷つける場合もあるということです。
特に,人間を序列で並べる場合には,その可能性が高いと思います。
私も中途採用で入職しましたので,先に就職された年下の職員さんに「○○さん」と呼んでいました。
職場に慣れてきて,自分がみんなに受け入れられるようになって,年下の男子職員を「○○君」と呼ぶようにしました。
このように先にその職場に入職した者が先輩になるのですから,クレームをつけた職員さんにとっては当然のことだったと思います。
そのような心情を所属長はどこまで心得ているのかが,勤務表の記載順序一つとってもわかります。
所属長にとっては,それほど気を遣わなければならないのかと思ったかもしれませんが,人間立場が変われば同じようなことをするものです。
それはまた,所属の職員さんをどう考えているかの姿勢の表れでもあると思います。
病棟や施設の療養棟を管理する方は,相当注意を払わねばならないことを自覚さされた事件でした。