ハイレゾ音源(DSD)を聴く【PC Audio】

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この世で音楽を全く聴かないという方はおられないと思います。
ここでは,どの様な音楽を聴くのかではなく,どんな媒体で聴くのかを考えていきたいと考えています。
アナログ時代は,アンプ+レコードプレーヤー+スピーカーが一般的でしたが,デジタル時代の現在では様々な方法があります。

CD が登場した時,アナログ(レコード)に慣れ親しんだ人間にとって,その音は何か無味乾燥な感じがしたものです。
そんなこともあって,一時抵抗していたのですが,時代は変わって,デジタル音源が世の中を席捲するに至り,とうとう CD Player を買いました。
しかし,どうしても馴染めず,また,距離をあける日々が続きました。

そうこうするうちに,昔貧しくて買えなかったアーティストの復刻版が発売されるようになると,否応なしにデジタル音源に親しむ方法を模索するしかありませんでした。
昔のようにコンポーネントを組めばいいのですが,もうそこまでする財力も興味もないので,手近なところで,PC に取り込んで聴くことから始めました。
ちなみに,今も残っている最も古い音源の日付を見ますと,2006年となっています。
あれから11年余りが過ぎて,現在辿り着いた PC オーディオをご紹介したいと思います。

以前から対応ソフトでハイレゾ音源は聴いていたのですが,ひょんなことから foobar2000 に興味を持って,再生ソフトを切り換えました。
foobar2000 は,色々な component を導入する必要があります。
見よう見まねでやっていたのですが, DSD (Direct Stream Digital) の再生が可能となっていました。

早速調べてみると,CD の音源を DSD に変換するソフトがPCM-DSD_Converterにあり,早速ダウンロードしました(下図)。

32bit と 64bit 版がありますので,お使い OS に合わせてダウンロードして下さい。
ファイルは,ZIP 形式で圧縮されていますので適当な場所に解凍します。

起動した画面が下図です。

そこに,WAVE ファイルをドラッグ&ドロップしたのが下図になります。

1.参照を押して,変換後のファイル保存の場所
2.サンプリングレート
3.精度

を指定してから「実行」します。
試してみると,1曲当たり3分弱で変換。

foobar2000 で DSD を聴けるようにするのは結構ややこしく,具体的な意味ははっきりとわからないまま,日本語化工房の要領に従って設定。

基本的なことですが, DSD を聴くには DSD 対応した DAC が必要です。
私は,約1年前に買ったMICRO PRECISION DH1 USB-DAC 内蔵ヘッドホンアンプを持っており,これが DSD 対応でした。

さて,ヘッドフォンで聴くと,何と今まで聴いたことのない音が出てきます。
同じハイレゾ音源でも,24bit のものは音のメリハリはあるのですが,奥行きが乏しい感じがしておりました。

DSD は音が柔らかくて奥行きがあります。
そして耳に心地よい。

これならばと PC にいれてある音源を選択して,変換させることにしました。
早速聴いてみると,とてもいい。
高音の伸びも素晴らしい。

ところが使用した PCM-DSD_Converter ですが,曲によっては綺麗に変換されていませんでした。
これは,私の環境固有のものかも知れないので何ともいえませんが,途中から左側からしか聞こえなくなったり,酷い場合は「ビー」という感じの音しか出ません。

そこで,他にも変換ソフトがないか調べていますと,音響メーカーのティアックが無料で提供している TASCAM Hi-Res Editorを見つけたので,早速インストールし,PCM-DSD_Converter で失敗した曲を変換してみました。

起動画面が上図になります。
WAVE ファイルを指定して「OPEN」をクリックすると,下図のような画面になります。

File Name が曲のファイルで,その下に表示されているのが曲のステータスになります。

1.Select Folder: 保存先を指定
2.File Name:ファイル名を変更
3.Quantization:デフォルト 1 bit
4.File Format:デフォルト DSDIFF(DSD)
5.Frequency :5.6MHz(他にも指定可能)

「EXPORT」をクリックすると,上図の画面になりますので,上記の1~5を指定して「EXPORT」をクリックします。

変換させてみると,これが大正解。
最後まで綺麗に再生してくれました。
ただ,このソフトは1曲ずつしか変換できませんので,一度に大量に行う場合には,PCM-DSD_Converter を使用した方が効率的です。
そして上手くいかなかった曲だけに使用するのが最適と思います。

スピーカーは,Fostex の PM0.4n(MB)で,約2年前に買い換えました。
これまでは気持ちよく聴いていたのですが,DSD 音源では,高音の伸びが今ひとつに感じます。

念のため,仕様を見てみますと,再生周波数帯域が 60Hz〜30khz となっており,DSD の高域を再現できていないのですね。
人間は,20khz 以上は可聴出来ないといわれており,一見関係ないようですが,やはり違います。

ヘッドフォンは,ハイレゾ対応の日立マクセル MXH-GD200 を使っています。
これだと,高音のぬけも良く糞詰まりな感じがしません。
というのは,恐らく再生周波数帯域が 20Hz〜70khz となっているので,その違いと思います。

以前使用していたFostex の T20RP mk3n と比較しましたが,再生周波数帯域が 15Hz〜35khz ですので,やはり同じ印象でした。
MXH-GD200 は,昨年9月に買いましたが,とても気に入っています。

このように音源がハイグレードになると,従来のハイレゾ機器では対応できないのではないかと思われます。
今回は,音域の拡がりが中途半端ではなかったというのが結論でしょう。

今回は投資はありませんでしたが,強いていうならばスピーカーを新調したいところです。
ハイレゾ音源全般に言えることですが,データがかなり大きくなりますので,保管庫(HDD)の容量を上げておく必要があります。
私は専用に3TB充てています。

foobar2000 はカスタマイズ性が高いのはいいのですが,英語なので少し敷居が高いです。
日本語化も出来ますが,全てではありませんので,簡単にはいじりにくいです。

最後に,下記のの5つを聴き比べてみました。

1.LP レコード
2.CD (16bit/44.1khz)
3.24bit/192khz 音源
4.32bit/192khz 音源
5.DSD 音源

私の隠れ家(屋根裏部屋)には,まだ昔のコンポがあります。
Fig.1

Fig.2

Fig.1は,上から順に,プリ・メインアンプ(NEC A-10 TYPE3),カセットデッキ(TEAC V-6030S),CD プレーヤー(Sony CDP-333ESJ)で,Fig.2がレコードプレーヤー(Technics SL-1220MK3D)です。
聴いたのは,私が大学生の頃流行した米国のロックバンドで,The Doobie Brothers といい,メンバーの入れ替えはありますが,現在も活動しています。

スバル・レヴォーグの CM で流れている曲が Long Train Runnin' で,3枚目のアルバムに収録されており,44年前の曲です。

私が聴いたのは5枚目のアルバムで Stampede といい,LP(Fig.3)及び CD(Fig.4)が下図になります。
Fig.3

Fig.4

LPのクレジットは,1975年となっており,42年前のアルバムです。
確か大学2年生(1976年)の時に買った記憶があります。

私は,大学に入学するまでは,この様な音楽には全く縁がなく,知り合った同級生が大変な音楽好きで,レコード店でアルバイトをしており,私も隣の本屋でアルバイトをしていた為,暇な時はレコード店に顔を出して,彼に色々教えてもらいました。

その内,どうしてもコンポが欲しくなり,夏休みに必死でアルバイトをして何とか手に入れました。
お金がありませんから高価なものは買えず,アンプ・デッキ・プレーヤー・スピーカーのセットで手に入るもの(YAMAHA のコンポ)を買いました。
最初に買ったもので残っているのは,Fig.1でコンポを収めている木製のユニットくらいです。卒業してから,買い換えて上述の構成になりました。

Stampede は最もよく聴いたアルバムで,まだ曲も全て覚えており,その違いが明確に分かるだろうと思い選択しました。
火を入れるのは実に20年振りかも知れません(もっとかも知れない)。
きちんと作動するのか半信半疑でしたが,先ずは CD(Player を使用)から聴くことにしました。

スピーカーもあるのですが,恐らく使い物にならないでしょうから MXH-GD200 を使用しました(Fig.1の黒いアンプからケーブルが伸びている)。

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CD は,音にメリハリがあり輪郭がはっきりしていますが,臨場感(音の広がり)に乏しい感じがします。
CD,24bit/192khz,32bit/192khz の順に音の解像度が増してくっきりとしているのですが,矢張りどれも音が硬い印象を受けます。
ある意味非常にデジタル的な感じ。

次に LP を聴いたのですが,実に懐かしい音が耳元から聞こえてきます。
The Doobie Brothers はトリプル・ギター,ツイン・ドラムで有名だったのですが,LPの 場合,ギターを弾いている位置の違いまで分かるような気がします。
バラードでも LP の方が音が柔らかい。
反面,機器(特にアンプ)が古いせいか高音域の伸びが今ひとつの印象。

最後に,DSD ですが,CD・ハイレゾ音源に比べて音が柔らかく,臨場感も感じられます。
どこかアナログ的な感覚で,LP に近いと思います。
それでいて音のメリハリがあるのは,矢張りデジタル音源ということでしょうか。
他の音楽では,Eagles の Take It Easy や Lyin' Eyes が LP に近い感じでした。

●Eagles Take It Easy

●Eagles Lyin' Eyes

音楽の好みは人それぞれであり,又,音の好みも同様でしょう。
ですから,どれが最も良いということは言えません。
要は,理屈ではなく,自分にとってどれが一番心地いいのかということではないでしょうか。

以上,簡単に音の違いを報告しましたが,今回の大きな成果は,ヘッドフォンの性能によって聞こえる音の中味が変わってくるということでした。
随分前に使っていたヘッドフォンでは,ここまでの音が聞こえていなかったと再認識さされました。
従って,自分はモバイル等でハイレゾ音源を聴いているといっても,ヘッドフォンの性能が低ければそれを享受できないのではないかということです。

音の違いを言葉にするのは非常に難しいですね。
拙い文章で申し訳ありませんでした。

個人的には,眠っていたコンポが目を覚ましてくれましたので,たまには LP を聴こうと思うようになりました(そんなことをやり出すと,またお金を使うに決まっているのですが)。

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(1)オーディオのすすめ:WAVファイルをハイレゾ化(アップサンプリング・DSD)する方法
(2)一から始めるfoobar2000:第1回

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