手入れ

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スーツは主に羊毛で作られているのは常識ですね。
中には,ポリエステルとの混紡や,モヘヤとの混紡,シルクとの混紡もあります。
今回は手入れについて書いてみます。

スーツ

帰宅すると,当然上着はハンガーにかけますね。
その時,埃を払うためにブラッシングされていますか。
私も知らなかったのですが,上質なブラシで繊維質に入った埃を払えとあります。通常は,これで充分だそうです。

ズボンは,裾を上にしてズボン吊りにかける。
ベルトははずす必要はありません。ベルトの重みで皺が取れる。

そして,翌日は休ませろという。
それも,着用した時間の2倍か3倍休ませた方がいいそうです。この時間が,素材を回復させる時間です。

そうなると,毎日スーツスタイルで仕事をする方にとっては,1着では足りないことになる。
週5日勤務として,最低2着は必要です。つまり,1着目は,月曜日,水曜日,金曜日が稼働日となり,2着目は火曜日,木曜日が稼働日となる。

2着あれば,1週間交代でもいいんじゃないと考えがちなのですが,休息時間をとるという原則からすれば,毎日着るのと隔日で着るのとでは,寿命が違うそうです。

使い捨てを原則としている方からすれば,こんなのはナンセンスかも知れません。
量販店に行けば,今や1万円以下で売っている時代です。
先日,出張の帰りに行ってみたのですが,手触りが全然違います。
試着してみましたが,すごく硬い感じがする。内ポケットのタグを見ると,ポリエステルとの混紡です。それも50%くらい含まれています。

ウォッシャブルスーツ(家庭で洗濯できるという代物)もありましたが,これは,自分の感性からすれば,着れたモンじゃない。
開発した方には失礼と思いますが,ごわごわしていて,気持ちが悪い。

どうして,日本人は,「機能性」ばかりを追究するのでしょうか。
「形態安定」のシャツもしかりです。そんなの要らないよと思いませんか。

やはり,ウール100%のものは,柔らかくて体に馴染みます。
反面,この馴染むというのが,着ていて疲れない要素だと思います。
上着をかけるハンガーは,厚手の木製が,型崩れしなくていい。
実は,この「厚手」のものが見つからず苦労しました。
そして,肩幅にあったものにかけておくことが肝要です。短いものだと肩が下がり,長すぎれば肩が張った状態になってしまう。

ところで,ハンガーにかけるのは着ていたご本人でしょうが,ブラッシングはどなたがされていますか。
独身の方は自分しかありませんが,結婚されている方は,専ら奥様でしょうか。

私は,自分でしています。家内を信用していない訳ではなく,自分でしないと満足できません(結局信用していないじゃないかと言われそうですが)。
自分でも不思議に感じているのは,車には時間をかけて洗車するのに,洋服の手入れには時間をかけない方が多いことです。
同じ「見てくれ」とすれば,洋服もそれだけの時間をかけてあげる価値はあると思うのです。

服装は人を現しますが,車は必ずしもそうではないと思います。
何故なら,車は,ビジネスシーンで常時必要ではないからです。
営業車に乗っているからといって,その人の価値は下がりません。

それよりも,目前の相手にさらす姿の方が,余程重要ではないでしょうか。
その意味でも,洋服の手入れには,時間をかける必要があると思います。
1日着用すれば「皺」が出来ますね。生地によって出来方や回復の度合いは異なりますが,そこで活躍するのが,ハンガースチーマー。
勿論,スチームアイロンでもいいです。

ハンガーにかけたままスチームを噴霧してやると,生地の回復の助けや消臭にも効果があります。喫煙者の私には,これが欠かせません。
ズボンの内股の皺なんかも,これで結構取れてしまいます。値段は,4,000円もしなかったと思います。
そして,天気のいい休日には,外に出して,風を通してやって下さい。
何たって,明日から,あなたの戦闘服として活躍してくれるのですから。

靴も毎日履くなという。
最低2足は要りますね。
帰ったら,ブラッシングして,シューキーパーを入れておきます。
これも木製がいいそうです。木製のものはそこそこの値段がします。約5,000円くらいでした。

1足20,000円とすると,シューキーパーを加えて,2足で約50,000円の投資です。
どうして,靴なんかにこんなにお金をかけなければいけないのか。

自分の感覚からすれば,最初は高いなぁと思いました。
でも,「足下を見る」人は,必ずいます。
1万円のスーツでも,足下が良ければ,10万円に見えると言っている方もあります。
逆も又真なりで,10万円のスーツを着ていても,足下が貧相なら,見窄らしく見える。

こう考えると,靴って案外重要なアイテムなんですね。
今までは,自分もそうだったのですが,靴には殆ど関心を払っていませんでした。
前にも記しましたが,自分が靴に関心を持ち始めると,どうしても相手の「足下」を見てしまいます。

素敵なスーツを着ていても,「足下」が貧相だと,その思いも冷めてしまいます。
女性の方は,その辺のことがよく分かっておられて,服装に応じて,靴を変えてきます。

どうして,こんなことに気がついたかというと,娘が再々靴を買ってくるので,「どうしてそんなに靴ばかり買うのか」と尋ねますと,「服装に合わないから」と言うのです。
感性が違うのですね。履ければいいってもんじゃないんですね。
でも,お父さんは,その為の小遣いはやらないからね。

靴を磨くのは,マスタングペーストといって,天然ホースオイルのものを使っています。
馬の脂です。浸透性が高いのが特徴です。手入れには,これしか使っていません。1週間に1度塗り続けていますと,雨の日でも綺麗に水をはじき,革の中までは染み込んできませんね。革製品であれば,何にでも使用できます。

最初に使ったときは,30分ほどすると,革がくすんだような感じに見えて,焦りました。
貧乏人が大枚2万円を叩いた靴を駄目にしてしまったのかと思いました。
しかし,脂が革に浸透性した結果だったのです。
何度か塗り続けていると,充分脂が浸透しているので,吸収できない脂は表面に残ってきます。これを柔らかいタオルで拭き取ってやると,何とも言えない艶がでてきます。
因みに,値段は100mlで,3,000円弱。ペースト状ですので,1回の使用量は少なく,2年前に買ったものが,まだ半分くらい残っています。防水スプレーなんて邪道だと思えるくらいです(褒めすぎかも知れませんが)。
唯,革底に塗る場合は注意が必要です。兎に角,良く滑りますから,塗るのはいいのですが,自分まで滑りそうになることがありました。

ネクタイ

ネクタイは,これといった手入れをしていないというか,する方法が分かっていません。
いえることは,吊しておくと型が残ってしまうということです。
洗濯に出すと,二つに折りたたんでありますね。このままだと,折り目が残ってしまうのです。
柔らかく丸めてやって,タンスに入れておけば,締めたときについた皺は回復しています。
ネクタイ売り場に行けば,丸めておいてあるところがあります。あの要領です。逆にいえば,吊している売り場では買わない方がいいのです。
極端な言い方をすれば,それは既に傷んでいるかも知れないからです。

シャツ

シャツの手入れは,全く分かりませんというか,ネットで調べても出てきません。
ご存じの方があればお教え下さい。

前述したように,手入れは,全て私自身でやっています。
これは,家内を信用していないのか,助けているのかどちらでしょうか。
私は,助けていると思っていますが,本人にきいたことはありません(怖いですから)。
唯,それは,私にとって楽しみであり,明日への準備でもあるということです。

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