ブランド

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巷は,ブランドで溢れかえっています。
そして,世界広しといえども,日本人ほどブランド好きな国民はいないといいます。

大学の頃,アイビーが一世を風靡し,ブランドといえば,VAN だったと書きましたが,友達の履いていたローファーが欲しくて,靴屋さんに行ったことがあります。そこで気づいたのは,全く同じデザインなのに,「VAN」のロゴが入っているとどうして高くなるのかということでした。
ここで,例の如く,靴屋の親父が,
「僕,実をいうとこれは同じ会社の靴だよ。作っているのはハルタという。」と教えてくれました。
当時の私は,ローファーが欲しかったのではなく,「VAN」が欲しかったのですね。結局,手が出なくて買わなかったと思います。
ブランドという言葉は知りませんでしたが,その洗礼を受けた初めての体験でした。ハルタは今もローファーを製造していますが,VAN はなくなってしまいました。

学生の頃は,自分が知らなかっただけという要素も大きいですが,今ほどブランドが溢れていなかったように思います。
思い出せるものを列挙してみます。

(1)ハーディ・エイミス(英)
(2)テッド・ラピドス(仏)
(3)ピエール・カルダン(仏)
(4)イヴ・サンローラン(仏)
(5)ギィ・ラロッシュ(仏)
(6)ジバンシー(仏)
(7)ニナ・リッチ(仏)
(8)ダンヒル(英)
(9)ダーバン(日)

>数ある中で,たったこれだけです。知ってはいても,実際触れた(買った)ものはダーバンのズボンのみです。ダンヒルのライターは,友人が家庭教師先からもらったものを見せてもらいました。金が無くなると,真っ先に質屋に入れていました。国別に見ますと,仏蘭西が多いですね。不思議と伊太利亜は思い出せません。殆どレディスのデザイナーですね。
上記のブランドは,百貨店に行った時くらいしか眼にしなかった記憶があります。しかも,目の飛び出るような金額でしたので,虞をなして退散しました。尤も,金のない若造ですから,店員さんも相手にはしてくれませんでしたが。
カジュアルで身近だったものは以下の通りです。

(1)アーノルド・パーマー
(2)マンシングウェア
(3)ラコステ

これくらいです。ワンポイントが流行った時代の産物ですね。

元々縁遠い存在でした(特に金銭面で)ので,夢中にならなくてすんだという思いがしています。又,不思議なことに,それ程羨望の眼差しで見つめたという記憶もないのです。
ああいうものを着る人たちは,アッパークラスの方々で,私のような庶民には相応しくないと考えていたのかも知れません。
その点,今の若い方達は,小さな頃からブランドに囲まれて生活しています。我が家の三馬鹿娘達も,暇さえあれば,ブランドの話に花を咲かせています。
この前も,久々に三女が帰ってきまして,雰囲気の良さそうな財布を持っていましたので,「それはいくらした」と尋ねましたら,「6万円」と事も無げに答えるのです。
普通,財布如きに6万円も使いますか。尋常ではありません。
「ちょっと待ってくれ」と言いたくなります。因みに私の財布は,新調したものが5,000円です。その10倍以上するものを,二十歳そこそこの娘が持つなんて,昔だったら,生意気だと叱られたものです。

時代の変遷は,止めどない欲望を刺激するもので溢れ,人の購買活動をも変えててしまいます。
旧き時代がよかったと懐かしみ,それを正当化するつもりは毛頭ありませんが,何かが違うのではないかとも思えるのです。

>トレンドに左右される人は,永遠にブランドの犠牲者になると思うのですが,如何でしょうか。
かくいう私もその一人であることは,逃れようもない事実なのでしょう。
しかし,時代を超えて残っていくブランドもある筈です。
それを見抜くのは至難の業かも知れませんが,眼力だけは養いたいと思います。

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