面接の質疑応答の時,よくたずねられるのが,「勤務体制は週休2日制ですか」ということ。
おそらくこの質問をなさる方の頭の中は,「毎週2日の休みがあるか」ということだと思います。
この「毎週2日の休みがある」という場合は,「完全」週休2日制といいます。
即ち,1年のどの週をみても,2日の休みがあることを表しています。
これに対して,「週休2日制」というのは,月に1回以上,必ず週2日の休みがあることを表します。
それ以外の週は1日のみの休みということになります。
この違いを明確に把握しておかなければ,求人広告などに「週休2日制」実施と書かれているので,応募してみると自分の考えと違ったという事態が生じます。
何も相手は嘘を書いているのではなく,上記の定義の元で「週休2日制」と明記しているので誤りではありません。
又,労働基準法では,労働者に「週1日以上の休日を与える」ことが原則として定められていますが,休日は月曜~日曜までの1週間のうち1日の休みがあれば良いので,何曜日を休みにするかは雇用者の自由とされています。
ですので,これは職場(法人)に備えられている「就業規則」を見るまでは分かりません。
「完全週休2日制」にしても,「土,日休み」と書かれていなければ,「土,日は休める」と思っていたあなたの考えと一致しなくなります。
祝日についても,労働基準法では「休日」と定めていませんから,休日とする場合は,就業規則の「休日」の規定に「国民の祝日」と明記しなければなりません。
もし,書かれていない場合,その職場では祝日は休みではないことになります。
「完全週休2日制」も毎週2日の休みを規定しているだけなので,例えば5月のゴールデンウィークに「何連休できる」と喜んでいても,「出勤しなければならない」事態に遭遇します。
これも就業規則に明記されていないことに起因します。
面接の場面であなたが質問しない場合,面接官もどの様な意図かは別にして言及しないことも生じます。
実際に入職して,所属長があなたの勤務表を作成したものをみて,初めて自分の考えとの相違点に気がつくことになります。
そこでよく出てくるのが,
「毎週2日の休みがあると思っていたのに」
「祝日も休めると思っていたのに」
というような言葉です。
確かに面接官も,もっと踏み込んだ説明をしておくべきであったことは否めません。
しかし,大事な勤務体制をきちんと質問しなかったあなたにも問題はあります。
このような行き違いをなくすためにも,どんな些細なことでも臆することなく質問しましょう。
出発に当たって,お互いに頭の中をシンクロさせておくことはとても大切なことだと思います。