「気づくこと」の大切さを知りましょう

更新日:

現役の時に自己啓発の講演会で聴いた事例を紹介したいと思います。

それは,東京ディズニーランドのレストランに勤務しておられるある女性のお話です。
あるご夫婦がやってこられて,お二人の食事とお子様ランチを注文されたそうです。
もちろんその時はお子様は同伴されていません。

彼女はウエイトレスで,その注文を受けたあと,ご夫婦の席にお子様用の椅子を持ってきて,その前にお子様ランチを置いたそうです。

何故,彼女は子供用の椅子を持ってきたのでしょうか。
それは,ご夫婦にはお子様がいたが亡くなってしまったがために,ここに連れてきてこれなかった思いを込めてお子様ランチを注文したのを察して,その椅子を用意したのです。

その行為にいたく感激したご夫婦は,後日お礼の手紙を会社に差し上げ,そのことが広報誌に掲載されてこのエピソードは有名になりました。
注文を受けるだけならば,子供用の椅子など用意する必要はありません。
しかし,もう一歩踏み込んで,「何故お子様ランチを注文するのか」と考えた時,彼女には上記の事情がわかったのでしょう。

ここに,同じ仕事をやるにしても,「気づき」がある方が素晴らしい仕事になることが証明されています。
次に,私の「気づけなかったこと」を紹介します。

それは,女房の実家に初めて招かれた時のことでした。
女房の実家はお寺で,私はお母さんに「正門」から招じ入れられたにもかかわらず,それに気づいていませんでした。
というのは,いつも遊びに行った時,脇の入り口から入っていたので,そこを正式な入り口と勘違いしていたのです。

長年,そのことが頭に引っかかっており,自分は正面玄関から招かれなかったとばかり思っていました。
ですから,最初にお伺いした時は正式な客ではなかったと考えていたのです。

後年,女房のお母さんが亡くなった時,棺を担いだのですが,それを出したのが初めて伺った門だったのです。
その時,私は初めて,お母さんは私を正式な客として迎え入れて下さっていたのだということに気づき,非常に申し訳なく思うとともに,自分を恥じました。

何度も遊びに行かせて頂いているのに,どうして気づかなかったのか。
それは,私の無知と,それによる勝手な思い込みにあります。

人には,ちょっと視点を変えれば見えるにもかかわらず,それが出来ないがために「気づかない」ままでいることが沢山あるのではないでしょうか。
その気づきの差が,人の心を歪めてしまったり,仕事の出来不出来にも影響を与えるように思います。

難しいことは必死になって考えるのに,簡単なことには気づかない。
これを人間の性(さが)と考えて,少しでも気づける人間になりたいものです。
また,気づきの差が人間の幸不幸を分けてしまうのかも知れないと考えています。

336px




336px




-人生のこと, 仕事のこと
-, , , , ,

Copyright© オヤジの備忘録 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.