給与の控除項目について

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給与から控除(差し引く)項目は,法律で定められているもの(以下「法定」という)と法人独自のものがあります。
法定の項目については,特段説明することは不要でしょう。
又,控除の計算方法も法律で定められているので,担当部署に行けば表を見せてくれると思います。

所得税

日本国民には納税の義務がありますから,所得税は誰もが納めなければなりません。
所得税は累進課税といって,給与が上がってくるとその税率も上がりますので,場合によっては,折角昇給したのに余り残らないという事態もあり得ます。
所得税は,給与総額から非課税項目(通勤手当が代表的)を差し引いた金額に対して課税します。

健康保険料

国民皆保険制度の下ではこれも必須です。
昔は,この金額(掛け率)は全国一律だったのですが,現在は都道府県によって異なっています。
ですので,引っ越しなどで違う県行った場合はこの金額が上がる場合があります。
掛け率は,毎年改定されますので同一ではありません。
又,給与が上がると金額が変更されます。

厚生年金保険料

退職してから年金をもらう原資となる項目です。
これも所得税と同様に給与が上がると控除額が増える場合と増えない場合があります。
健康保険料も同じなのですが,級間という考え方があり,例えば,
(1)70,000~78,000 12.31%
(2)78,001~83,000 12.54%
というように,昇給してもあなたの金額が同一の級間にある場合は金額の変更は行われません。

あなたが役職になり昇給+役職手当となると,給与がかなり上がりますから,恐らく一つ上の級が該当することになり,控除金額も上がります。
もう一つは,4,5,6の3ヵ月の給与の平均額を算出し,その金額がどの階級に該当するのかを照らし合わせた結果,階級が上がり控除金額が増える事態もあります。
例えば,上記の3ヵ月は入院患者も多かったので,時間外労働が沢山あったとします。
当然支給額が増える訳ですから,昇給は大したことがなかったのに負担額だけが増えてしまったという笑えない事態もあり得るのです。
それを避けるためには,上記の3ヵ月は時間外労働をしないことですが,実際はそのようなことは出来ませんね。
尚,この二つは所得税のように非課税項目を控除する訳ではなく,あくまで総支給額が対象となります。

介護保険料

これは,満40歳以上の者が納めなければならないものです。
所得によって,金額が決まっています。

雇用保険料

雇用保険をかけていれば,あなたが失業した時職安から支払われる失業手当の原資になります。
これは,一定の掛け率です。

住民税

住民税は,お住まいの市町村に納める税金です。
住民税は,前年の所得に対して課税されますので,新卒の方は翌年からその対象となります。
毎年6月に改定され,7月の給与から新しい金額が適用されます。
これも市町村によって異なります。

復興特別所得税

平成23年12月2日に東日本大震災からの復興のための施策を実施するために特別措置法(平成23年)が公布され,復興特別所得税が創設されました。
平成25年から平成49年までの各年分の基準所得税額が,復興特別所得税の課税対象となります。
税額は,復興特別所得税額 = 基準所得税額 × 2.1%となります。

欠勤控除

これは,欠勤,遅刻・早退があった場合に控除されるものです。
参照:あなたは交通事故に巻き込まれて遅刻した,さてどうなる?

返済金

これは,あなたが何らかの理由で法人に借金して,月々返済する場合に当てはまる項目です。
例えば,法人から奨学金を支給されて看護学校に進学したが,不幸にも中退せざるを得ない事態になり,そのまま法人職員として勤務して返済金する場合に当てはまります。

まとめ

冒頭に書いたように,控除に関しては法人の入り込む余地は殆どありませんので,あっさりしたものとなってしまいました。
制度の変更があった場合は,更新したいと考えでおります。
健康保険料などの負担割合が変わるものがあるため,敢えてその割合は記していませんので,最新のものは法人の担当者にお尋ねになるか,「公式」な WEB サイトでご確認下さい。

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