「何とかなる」と思うことも大切です

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私はこれまで他の記事では,人の暗い(ネガティブな)側面に焦点を当てて記事を書いてきました。
出来るだけそれを打開できる方法をお示ししたつもりです。
ただ,その方法は「何とかする」ということに主眼を置き,標題のように「何とかなる」というような他力本願的なことではありませんでした。

私も20代の頃は,このような気持ちになることはなかったと思います。
「何とかしなければ」と考えて行動を起こそうとするのですが,うまくいかない連続だった時期もあります。
こんな時期には,悲観的な考えが自分を支配していますから,なかなかこんな気持ちになれません。

しかし,色んなことをやっていくうちに「何とかなる」という気持ちが湧くことがありました。
そのきっかけは,30代初めにある新規事業の担当者に指名され,それこそ寝食を忘れるほど仕事に埋没していた時でした。

今まで誰もやったことがない仕事で,県への申請と国の補助金に関係のある仕事でしたので,締め切りは厳しく,最も繁忙な時は,夜中まで仕事をして,家に帰る時間がもったいないので職場で寝ることもありました。
確か家に帰っていたのは週に3日くらいだったと思います。

あの時,何故頑張れたのかとふり返った時,若かったので体力があったことと,担当者は私一人でしたから「責任の重さ」というか職場の方向を決める事業に参画させてもらっているという気概であったと思います。
自分のやっていることが姿を現してくることに対する喜びであったかも知れません。

この事業は,国が初めて制定したもので,県の担当者も初めてでしたから,私を始め国や県の担当者の三者が初めてだったのです。
ですから,お互いにノウハウはなく,法律をどう解釈するのかなど答えのないものに答えを出さねばならないことの連続でした。
このような時は,どこまでいっても正解というものはありませんから,下手をすれば無限ループに陥ってしまいます。

決裁権は,国>県という風でしたので,県の担当者も私の出した申請書が国の決裁を得られるかどうかは確信がありません。
今でも覚えていますが,県の担当者の方の「ここまでやったんだから何とかなるでしょう」,という一言でした。
一時は,約1ヵ月朝から晩まで県庁で過ごしたこともあり,気心も知れてきた仲になっていましたので,立場は異なっても戦友という気持ちになっていました。

私は,この時自分のもてる能力を出し切ったあとは,「何とかなる」という心境が訪れることに気づきました。
「人事を尽くして天命を待つ」というような大層なものではありませんが,自分が全力を尽くせば道は開けることもあると実感しました。
「何とかしたい」と全力で走ってきて,もうこれ以上自分の中からは何も出てくることはない,というところまで来た時に感ずることだと思います。

いつも全力で走ればいいのですが,なかなかそうはいきませんね。
しかし,ここ一番の時に持てる力を最大限注ぐことをすれば,「何とかなる」のではないかと考えています。
むしろ,「何とかなるだろう」と運を天に任せる気持ちになります。

あなたがそんな心境になっていないとすれば,一度自分の全力を尽くしてみて下さい。
それでも,「何ともならなかった」という結果が出るかも知れませんが,それはその時点におけるあなたの実力がそこまで達していなかっただけのことです。
失敗でも何でもない。
自分の実力を高める努力をすればいいだけです。

再チャレンジするのであれば,余計なことは考えず,結果が出たその日から再び取り組む。
自分では気づいていないかも知れませんが,あなたには密かな何かが芽生えているはずです。
それは,「自分の全てを賭けてこれだけやった」という結果から来る自信かも知れません。
または「自分はこれだけやれる」という新たな自覚でもあると思います。

自分を諦めないで続けていさえすれば,「何とかなる」と思える時期はきっとくると思います。
だから,自分を諦めないでもう一歩粘って下さい。

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