- WRC -1 -

更新日:

[amazonjs asin="B00AYRLW7Y" locale="JP" title="WRC2 ダウンロード"] 私が PC ゲームを始めたのは約3年前で,それまで PC は,自宅で仕事(会社の PC を自宅に持ち帰るのは許可されていなかった)をするためのもので,殆ど遊びには使っていませんでした。
仕事以外では,ネットやツタヤで借りた映画を観るくらいのものでした。

ところが,たまたま Amazon でゲームの特集をやっていて,出会ったのが WRC2 というラリーのゲームでした。
マシンの推奨スペックを見ますと,充分いけそうなので,ステアリング・コントローラも同時に購入しました。

[amazonjs asin="B0032UX9IK" locale="JP" title="ロジクール G27 レーシング ホイール(LPRC-13500)"]

どうして WRC かというと,昔 NHK の BS で WRC が放映されているのを観てから興味が湧いたのです。
レースといえば,一般的にはフジが放映していた F1 という世界最高峰のレースが有名です。
しかし,F1 はクローズされたサーキットを何周も走る競技です。

しかし,WRC は一般道(公道)を走るレースで,しかもダート・コースが多く,市販車をドリフトさせながら走るのはとても面白いと思いました。
SS(スーパー・ステージ)と呼ばれる決められたコースをナビゲーターの指示の元で走り抜け,そのタイムを競います。

従って,F1 のように複数の車が同時に走るわけではなく,順次1台ずつ出発します。
勿論,荒れた路面を走るので,タイヤもダート専用で,下手をすれば路肩の木に衝突したり,転落してしまうこともあります。

有名なのは,日本映画にもなったサファリ・ラリーでしょう。
私が BS で観ていた頃は,Group A と Group B というカテゴリーに分かれており,Group B は専らラリー専用マシンで,最盛期には約 600 馬力くらいあり,車重も 800 kg くらいしかありませんので,とてつもないモンスター・マシンです。
これを公道のしかも狭いダートを走るのですから,ドライバーも力量も凄いものです。

日本では,日本グランプリ(鈴鹿)が開催されることもあり,ダントツに F1 に人気が集まっていますが,欧州では,F1 に負けないくらい人気があります。
路肩に群衆が集まり,その傍らを走り抜ける様子はとてもダイナミックです。
職場の友人と全日本のラリーを観戦しに行ったこともあります。
その様な背景もあって,懐かしい思いで買ったのが WRC2 だったのです。

自分は運転免許も持っているし,そんなに難しくないだろうと思って始めたのですが,これがとんでもない誤算でした。
ダート・コースですので,ハイスピードでは到底コーナーが曲がれない(というか曲がる方法を知らない)。

微妙なアクセルワークとハンドリングをしなければ,外に膨らんでいくだけ。
雪道や凍結路で車が滑って自由にならない状況を想像してみて下さい。
あれとほぼ同じです。

このように最初は上手くいかないので面白くないのですね。
正直言って,とんでもないものを買ってしまったと思いました(任天堂のマリオカート位のレベルと思っていた)。

レベルを最低にセットしても,タイム・レースですから,自分の運転技術を上げていかないと順位は上がりません(またサーキットを走るレースのように追い越す醍醐味がない)。
各 SS に目標タイムが設定されていましたが,ABS や TRC(トラクション・コントロール)等をオンにした状態でも全く歯が立たない。
プラクティス(練習)・モード(これは,車のコントロール方法のマスターが主です)もあったのですが,実践あるのみ(というか面白くなかった)で始めたので,余計に敷居が高かったのでしょう。

そんなわけで,仕事から帰ってきて,食事を済ませた後は寝るまで毎日やっていたと思います。
当然,休みの日は終日ゲーム三昧。

攻略方法としては,全てのコースを経験するのは後回しにして,同じコースを何回も走ってタイムを縮める作戦をとりました。
コースを覚えてくると,コーナーを抜けるスピードの限度が分かり始め,ドリフトも少しずつ出来るようになり,少しずつ面白くなりました。

慣れてきたので,違うコースにチャレンジしたのですが,同じダートでも路面が異なると,車の挙動が変わってきます。
それまでにマスターした方法では車のコントロールに失敗する場面もありました。
勿論,目標タイムには遠く及びません。
そこで,コースの難易度の低いものから攻略することにして,徹底的に走り込むことにしました。

ここまでで気づいたことは,「動体視力の大切さ」です。
通常,速度が上がってくると視野が狭くなった感じがしますね。
これは,周囲の景色の流れが速くなって,目が追いつかなくなるのですね。

ゲームくらいでそこまで関係があるのかと思われるでしょうが,最近ものは車の速さ(加速)に応じて景色の流れまで制御しているようです。従って,しばらく遠ざかっていると,目が追いつかなくなってきているのが分かります。

反面,ハイスピードで車をコントロールできるようになると,リアルな運転も楽になります。
周囲の景色が今までよりもよく見えるのです。

CX-5(SKY-D)の中間加速は,Legacy のターボモデルよりも速いというデータがあり,60 km → 100 km などはかなり速いです。
この時,周囲の景色が狭くなって,一瞬視界を失うような感覚があれば,加速に動体視力がついてきていません。

CX-5 を買った直後,職場の友人とドライブしたのですが,直線道路でほぼフルスロットルで加速したところ,車を降りる時,友人が「オレ目が悪くなったんかな」とぼそっと言いました。
恐らく,加速に目がついていかなかったのでしょう。

一般的にオートバイから車に乗り換えたドライバーが速いといわれるのは,オートバイの加速に慣れることで動体視力が出来上がっているからです(加速力は,オートバイ>車)。
私にとって,これは思いがけない副産物でした。
同じ速度でも,今までよりも周囲がよく見えるため遅く感じるのです。

ある程度走り込むとタイムは伸びるのですが,どこかでその伸びが止まります(鈍くなる)。
これは自分のテクニックの限界かも知れないし,車の限界かも知れません。

自分は,中学時代陸上をやっていたので理解できるのですが,練習を重ねていくと,どんどんタイムがちぢむ期間があり,そこを超えると,しばらくタイムがちぢまらない期間がきます。
一種のカベですね。
それは,車に乗せてもらっていたのが,乗れるようになったが,乗りこなすまでには至っていないといえるでしょう。
まだ手足のように車を扱えていない。

WRC2 では,目標タイムを破ることが目的ですので,これを達成しない限りゲームをクリアしたことにはなりません。
一時は,こんなタイムは不可能ではないのかとさえ思いました。
それ程このハードルは高かった。

そこで,以下の設定で攻略する作戦に変更しました。

(1)ゲーム内で最も早いと思われる車を選択する(Group B Car)
(2)ABS や TRC など車のコントロール関係を全て OFF とする
(3)(1)で選択した車で,全コースをゆっくりでもいいから完走する
(4)(3)の終了後,先ず難易度の低いコースを選択し,そのコースのレコードを突破できるまで次には進まない
(5)視点は,バンパーとする

普通は,遅い車から始めて,段々速い車に変更します(ステップ・アップ)が,私は,逆転の発想で,ハードルは高くても,最も速い車をマスターできれば,他車の性能はこれより低いのだから,間接的にマスターしたのと同様である,と考えました。
しかも,車のコントロールを全て OFF にするのですから,無謀もいいところです。

(5)は,ゲームではバンパーの他にボンネット,コックピット,第三者(車を後方上からみる)等の視点がありますが,バンパーが最も路面に近く(すれすれ),しかもスピード感も最も高いので,この設定にしました。
ちなみに,第三者視点は,周囲への視野が広く,最もスピード感がありません。

案の定,(3)の過程で,車の加速にハンドリングはついていかないし,下手をすると直線でも真っ直ぐに走らせることが出来ない。コーナーではスピンすらする。

ここで大切なことは,ステアリングやアクセル・ブレーキ操作をどこまでデリケートに操作できるかがカギとなります。
一例としては,急発進・急ブレーキがあります。これは,アクセルやブレーキをスムースにコントロール出来ていない証左ですね。
ステアリング・コントローラには,アクセルとブレーキがありますので,足のコントロールの訓練にもなります。

上記の設定を変更することなく,ほぼ毎日練習しました。
すると,スムースな操作が可能になるにつれて,車の挙動が安定し,タイムも出るようになりました(当たり前ですが)。
とはいっても,目標タイムを上回ることは至難で,今ひとつ届きません。リワインド機能(運転ミス等をしたところからやり直す)はありませんから,文字通り一発勝負です。

リプレイを観ながら,コーナーの曲がり方やそのスピードを確認して,もう少し速いスピードでパスすることを試みたりします。
又,コース全体を見て,最もタイムを稼げるのはどの区間かを考えます(当然直線が最も速いですが,今度はコーナーの進入時にオーバー・スピードになってコーナーをきれいにクリアできない)。

1レース高々3分前後ですが,ここまで煮詰まってくると,集中力も半端じゃありません。
たかがゲーム如きに,いい大人がそんなに夢中になってどうするのと思われるでしょうが,これが何ともいえず面白かったりします。
我ながら,いい年して「アホだな」とも思いますが。

幸い,私のゲームセンターは2階の屋根裏部屋にありますので,誰にも邪魔されることなく堪能できます。
家内や娘達も,「よくやるよ」と思っていたに違いありません(息子がいれば,二人して競争できたのですが)。

そんなこんなで約1年遊んだでしょうか。78 の SS の 90 %は目標タイムをクリアできたのですが,後の 10 %は達成できませんでした。
どうしても苦手なコースがあり,何度トライしても,ぎりぎりのところで届かないのです。
又,短いコースほどタイムを詰めるのは困難で,一瞬のミスでコースアウトという場面もよくありました。

特に,濡れてスリッピーな路面やスウェーデンの雪道等は,コーナーで車が流れてしまい(ミューが低い),最後まで攻略出来ませんでした。
実際の WRC では,毎年コースが変わり,しかも原則として試走は出来ませんので,まごうことなく一発勝負(F1 や耐久レースのように,プラクティス,予選,決勝と同一のコースに慣れるということが出来ない)です。
そんな環境でタイムを出すドライバーのテクニックは素晴らしいの一言に尽きると思います。

このようにいい大人がますますバカになっていくのでした。
次回は,WRC の続きです。

(参考)

336px




336px




-WRC
-, ,

Copyright© オヤジの備忘録 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.